シュールな光景

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8月末に、保健所による「腐蛆(ふそ)病検査」がありました。
「腐蛆病」は読んで字のごとく幼虫が腐ってしまう病気で、家畜伝染病に指定されており、養蜂家は毎年検査を受けなければなりません。
今年も、はちのわのミツバチたちは合格でした。

腐蛆病にかかっていると蜂児の房の蓋がへこんでいたりします。
検査員の方に指定された巣箱を開け、蜂児のある巣板を見せるのですが、「きれいですね」と言っていただき、まるで自分が褒められたように、うれしかったです。
これからも、健康を維持できるよう努めます。

蜂児の蓋がふっくらきれいなのは健康の証

今年は、ソバの蜜がいつもより入っているように思います。近くにソバ畑が増えた気がします。ありがたいです。
いつか、ソバ蜜の採蜜もできたらいいなぁと思うのですが。

色が濃いソバの蜜

それにしても、8月末に夏が戻ってきたと思いきや、9月に入ったとたん気温が下がり、またもや雨続き。
「しかし、よく降るねー…」と思わず口にしてしまいます。
作業も思うようにできないし、災害も頭をよぎるし、気持ちもついどんよりしがちです。
ただ、これだけ雨が降れば、このあたりの川も、その水が集まる諏訪湖も、その先の天竜川も、ずいぶん水が入れ替わってきれいになったのではないかなとも思うのです。
浄化の雨なんだ、と思うことにします。

少し前に、近くにクマが現れたという知らせがありました。
はちみつ大好きクマさん、どうかここには気づかないで…と願うばかりです。

また、ここのところミツバチを襲うスズメバチが増えてきたせいなのか、この不安定な天候のせいなのか、なぜかミツバチたちが攻撃的なのです。
先日、雨上がりを狙って内検したのですが、あまりに何度も刺されるので(手袋はしているのですが、3回に1回くらいは皮膚に針が届きます。指は特に痛い)、痛さのあまり思わず叫んでしまいました。
刺したミツバチは死んでしまうので、いつもは申し訳なく思うのですが、この時はそんな気持ちにもなれませんでした。
つらくて泣きたくなり、内検を投げ出したくなってしまいました…今までこんなことあったかな?

養蜂を初めて2、3年目くらいに、蜂毒アレルギーの症状が出て、やばいなぁと思っていた時期があります(蕁麻疹や粘膜の腫れなど)。
今は体が慣れたのか、大事には至っていませんが、今後どうなるのかは分かりません。
ただ、蜂毒療法があるくらいで、蜂毒は免疫力を向上させるそうなので、地味に(あくまで地味に)刺され続けるのは体にいいはず、と思ってます…!
実際、養蜂をされているお年寄りは、長生き&お元気な気がします。

それにしても森の中で一人、スズメバチ飛び交う中でミツバチに刺されまくり悲鳴をあげるおばちゃん…かなりシュールな光景だなぁと苦笑いです。
願わくば、実は近くまで来ていた熊が悲鳴を聞いて逃げていたというオチなら救われますが。
スズメバチの中でも、オオスズメバチは本当に怖いのですが、今年は少し数が増えたような…大挙して来られる前に、見つけ次第網でつかまえやっつけるようにしていますが、これだってヘタすれば命取りです。

蜂や熊に襲われ斃れても、しばらく誰にも気づかれないでしょうし、今の私には、新型コロナよりも熊やスズメバチ、そして攻撃的になってしまっているミツバチのほうが、差し迫った脅威です。
なぜ私はこんな思いをしてまで養蜂やってるんだっけ…?と強めに頭をよぎってしまう今日この頃。
しばし養蜂を忘れ休みたいところですが、生き物相手の仕事は、そう簡単に投げ出せないのですね。
第一次産業(といっても、現状商売としては成り立っておらず。趣味にしてはハード過ぎ!)の大変さ、今更ながらかみしめています。

全く関係ありませんが、用事でJAバンクへ行った際、JAバンクのキャラクターを「これはバク?なんだろう…」とまじまじ見ていたのですが、ゾウのようです。そして、いつも傍にミツバチがいるんですね。

よりぞう君というらしい
ミツバチが相棒のようです