分蜂まつり

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春が来てから、日々追われるように種を蒔いたり、芋を植えたり、苗を植えたり、草を刈ったり、ミツバチの世話をしたり…しているうちにあっという間に5月が過ぎ去ってしまいました。

書きたいトピックはいくつもあるものの、じっくりパソコンに向かって文章をつづる余力がない日々でした。
今現在もわりとそのような感じです。

とはいえ、これは一応お伝えしておかなければ…

今年のはちみつは、過去最低の収穫量になることが確定いたしました。

そもそも今年は越冬率がよくなく、採蜜に期待できる群はたった2群という状況で春を迎えました。
心もとないけれど、両群とも大変元気で、よい感じで春の蜜を貯め始めてくれているな…ウフフ…と思っていた矢先。

ある朝、「ワーン…!」と、聞き覚えのあるあの分蜂の羽音が…
2群のうち1群が分蜂していました。
内検して王台を全て取り除いたはずなのに、その4日後でした。

「もう1群は大丈夫かな…念のため中を見なければ」と気になったものの、その日は出かけなければならず、帰宅後に急いで内検したのですが…
「んっ?なんか、蜂が減っている???」

時すでに遅し…あとの祭り…アフターフェスティバル…でした。
どうやらもう1群も知らぬ間に既に分蜂していたようなのです。
いずれの群にも、王台がたくさん作られていました。

朝は高い木の上のほうにあった蜂球も、帰宅したらもうすでに消え去っており、
分蜂した群が戻ってくるように置いていたいくつかの空巣箱も空っぽのままでした。

以前ならショックでしばらく立ち直れなかったかもしれません。
でも、もう、「起きたことは仕方ない…自然のことだし…」とわりとすぐあきらめがつきました。
とりあえず合同をしてなんとか採蜜群として成り立つように1群を仕立てたものの、春の蜜はほんとうにお気持ち程度になりました。

今年は、昨年は不作だったアカシアの花がよく咲いていますが、蜜はよく出ているのでしょうか。
「今年はアカシアの蜜がよく採れますように!」というのが養蜂家の悲願でありましたが、遅霜がありましたし、どうなのだろう、というところですが、いずれにせよ、はちのわではもう豊作は見込めません。

アカシアは満開なものの…

以前は1週間に一度内検していれば、分蜂を防ぐことができました。
基本的には新女王が羽化する少し前に分蜂が起こる感触なので、王台を見落としさえしなければそのペースで間に合っていたのです。
(女王蜂は卵から16日後に羽化します)
しかし、昨年も今年も、王台を取り除いたあとにすぐにまた王台を作り数日で、羽化よりかなり前に分蜂が起こっています。
どういうことなのでしょうか。

原因の考察としては…

1)寒い環境や、ダニや病気にも負けずに残ってきた系統が、分蜂しやすい性質も持っていた
2)地球の変化を感じ取って、より多く子孫を残そうという本能が働いている??

といった感じでしょうか?

1とすると、今後は分蜂の時期は3日に一度くらいのペースで内検しないといけないのかなぁ…大変だ…と、ぼんやり考えています。
また他からも、王台を全て取り除いた数日後に分蜂したという話を複数聞きましたので、2ということもあるのかなぁと思ったりしています。
どうしてなのか教えてほしいです…

王台がたくさん出来たので、新しい群を作る方向に切り替えて群を分割したのですが、それでも王台が余ります。
立派な王台を亡きものにするのがもったいなくて、諏訪の女性養蜂家の方にもらっていただきました。
その後無事に羽化したそうです。

その後もまさかの、分割した群がさらに王台を作り分蜂を起こして新女王が次々羽化したりと(またもらっていただきました)…さながら「はちのわ春の分蜂まつり」といった様相を呈しました。

大慌てでいろいろ手当して、状況は一旦落ち着きました。
小さな群が複数できました。
これで、今年ははちみつはたくさんは採れないものの、もう分蜂にはやきもきしないで済みそうです…
無事に新女王が交尾飛行を終えてくれることを願い、そしてまた来年に期待、です。

しかしおかげで、畑仕事など、養蜂以外のことにも力を入れられているともいえます。
種から育苗した、トマト、ピーマン、ナスなどの苗たちも無事に育ってくれました。

畑デビュー直前の記念写真

あとひとつ気になることがあります。
昨年も今年も、ニホンミツバチを呼び込もうと巣箱と誘引剤を設置したのですが、昨年は、偵察蜂は来たけれど入居にいたらず、だったのですが、今年は偵察蜂すら姿を見せないことです。

早春にはニホンミツバチの姿を見たのですが、最近見かけません。
この付近にニホンミツバチが減ってしまったのだろうか?と少々心配になっています。

でも、先日、車山にある「はちみつ蔵」さんにお邪魔したのですが、元気なニホンミツバチを飼われていました。
毎年分蜂もバンバンしているということでしたので、少なくともこの場所は大丈夫なんだな…とホッとしました。

この「はちのわ日誌」、今回はミツバチの話題を書きましたが、全体にミツバチの話題が少なくなっており、養蜂の情報を求めて訪れてくださっている方がいらっしゃったら役立たずで申し訳ないなぁと思っております。

以前も書いた気がしますが、
10年前より「養蜂を生業に!」という意気込みで養蜂に取り組んできたものの、ここ数年で、その路線はちょっと違うかも…自分には無理かも…と気づきました。
群を増やそうと頑張るにつれ、楽しかった養蜂が、しんどく感じる時間が多くなってしまいました。
時間的、体力的、作業内容の大変さ…などなどもありますが、生き物や自然が相手だということも要因としてあります。
仕事と割り切ってズバズバできないことが多かったりします。
自分には養蜂は「お金を稼ぐ手段としては」あまり向いていないらしいということが分かった感じです。

なんにせよ、やってみたうえでなんか違うかも…と思ったら、進路を変えてもいいと思います。
無理をするのはよくないですね。
養蜂も楽しんで続けていければと思っています。

「はちのわ日誌」、今後もミツバチに関することはもちろん書いていきたいと思っていますが、生き物や自然に関することなどについてあまり縛りなく綴ることとしよう…と思いながら書いています。

お読みくださりありがとうございます。

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