ミツバチは、働き蜂のお腹の蝋腺(ろうせん)という器官から分泌されるみつろう(蜜蝋/beeswax)で巣を作ります。

みつろうは分泌された直後は無色透明ですが、時間が経つにつれてミツバチの体についた花粉などの色が溶け込んで色がついていきます。

保湿性、抗菌性、防水性に優れた物質です。

みつろう100%のキャンドルは、石油由来のパラフィンのキャンドルとは違ってススがほとんど出ず、さらに、空気をきれいにするマイナスイオンも放出するそうです。

その他、スキンケア、クレヨン、製菓、皮革、楽器、絶縁、防錆、ろうけつ染めなどなど…様々な用途に利用されているみつろう。

私たちの生活をさりげなくサポートしてくれています。

ミツバチの作り出すものは、はちみつだけでなく、みつろう、ローヤルゼリー、プロポリス、ビーポーレン(花粉)、そして蜂毒さえも…、人にも恵みをもたらしてくれるものばかりです。

はちのわでは、採蜜時に切り取った蜜蓋と、自然巣だけを集め精製(お湯に溶かして濾過し、ゴミをとりのぞいています。漂白はしていません。)したみつろうを作っています。

キャンドルはもちろん、みつろうを使ったリップクリームやハンドクリームは自分で簡単に作ることができます。

また、水洗いして繰り返し使える布製のみつろうラップも作ることができます。

みつろうラップはもともと、オーストラリアの自然の中で暮らす一家が、自分たちの出すゴミを減らすための工夫から考案したものだそうです。

小鉢にかぶせたり、使いかけの野菜を包んだりと、ちょっとしたところからプラスチックの消費を減らしてみませんか。

【リップクリーム/ハンドクリームの作り方】

※リップ/ハンド、いずれも材料は同じです。オイルが多めだと出来上がりがやわらかくなります。

●材料(15gのクリームケース1個分)

みつろう…3g

植物オイル(ホホバオイルなど)…大さじ1(15ml)

お好みのアロマオイル(無くても可)…1~2滴

●作り方

1)ミツロウはブロックの場合、おろしがねやナイフなどで必要な量を削る

2)耐熱容器にミツロウと植物オイルをいれ、湯せんにかけ竹串などで混ぜながら溶かす。

3)ケースに流し入れる

4)固まりはじめたらアロマオイルを加え竹串などで混ぜる(香りがとばないように、このタイミングで入れる)

5)冷やして、固まれば完成

【みつろうラップの作り方】

※布の大きさによって材料の分量を調節してください。

ミツロウだけでも作ることができますが、松ヤニを加えることで密着性が、オイルを加えることでしなやかさがでます。

●材料<20cm×20cmのラップ1枚分>

ミツロウ…4g

松ヤニ(粉末松脂が使いやすい)…小さじ1/2(1.5g)

ホホバオイル…小さじ1/2(2.5ml)

100%コットンの布(薄いもの)

道具:刷毛、オーブンペーパー、アイロン、アイロン台

●作り方

1)布をカットする

2)ミツロウ、松脂、ホホバオイルを混ぜ、湯煎にかけて溶かす

3)オーブンシートの上に布を置き、その上に溶けた材料をハケで塗る(または、直接まんべんなくふりかける)

4)さらにオーブンシートを布の上に置き、その上からアイロンを低温でゆっくりかける。(布全体に浸透しない場合、足りない部分に適宜材料を載せる。細かくしたみつろうを置くだけで可)

5)材料が完全に浸透したら、上のオーブンシートをはずし、固まるまで冷ます

洗う際は、お湯で洗うとロウが溶けてしまうため、水と中性洗剤で洗ってください。

2018.7.5


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