ミツバチの社会は、女王蜂1匹を中心とした数万匹のミツバチで構成されています。
そのほとんどが働き蜂。働き蜂は全てメスです。
そして、数百匹の雄バチがいます。
女王蜂は、1日に2000個もの卵を産み、一生を卵を産み続ける事に費やします。
働き蜂にロイヤルゼリーだけをもらい、4~5年も生き続けます。
卵をあまり産まなくなるなど、群の存続に貢献しないと判断されると、働き蜂によって命を奪われ、新しい女王が育てられることもあります。
まれに、古い女王蜂が殺されずに、新しい女王蜂と共存していることがあるそうです。
蜂にも、産んでくれた母を慈しむといった、情けに似た感情もあるのかも、しれません。
働き蜂は、前述したように全てメス。
実は、卵の状態では女王蜂も働き蜂も全く同じなのです。
どこで違いがでるのでしょうか。
幼虫になって3日目まではどちらもロイヤルゼリーを与えられるのですが、4日目以降から、働き蜂にははちみつと花粉が、女王蜂として育てられる幼虫にはその後もずっとロイヤルゼリーが与えられ、女王蜂としての大きな体と長い寿命を与えられるのです。
働き蜂の寿命は、約1ヶ月。
その一生は、羽化してからずっと働きどおしの生活です。
体の変化や経験に合わせて、掃除、育児、巣作り、貯蜜、門番…など、仕事内容が変化していき、最後の仕事が、外勤蜂として蜜や花粉を集めてくることなのです。
仲間と情報を交換しながら数kmの範囲を飛び回ります。
雄蜂は、繁殖期だけに産まれる少数派。
女王蜂は有精卵と無精卵を産み分けることができ、無精卵から雄蜂が産まれます。
働き蜂より一回り体が大きく、針はありません。
雄蜂の仕事は、女王蜂と交尾することだけです。
ふだんは巣の中ではちみつを食べてぶらぶらしています。
交尾の時間になると決まった場所へ飛んで行き、処女の女王蜂との交尾にいどみます。
交尾に成功する雄蜂はわずか。しかも、成功したらその場で絶命してしまいます。
交尾できず巣に戻って来た雄蜂は、あいかわらずぶらぶらしているのですが、はちみつだけ消費する役立たずの存在なので、越冬前になると働き蜂に巣から追い出されてしまいます。とてもせつない運命なのです。
こちらは「男はつらいよ」ミツバチ編…ですね。
ミツバチ社会は、働き者のメスがしっかりしきる女社会。
みんなが群のためにつくし、我利を主張することもない、他利の社会ともいえましょうか。
人間が見習うべきところもたくさんありそうです。
2015.3.