冬の間のイベント

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今年もあっという間に立春を過ぎ、2月もすでに半ばに差しかかりました。

まだまだ寒いのですが、ミツバチたちは、暦が分かっているのように毎年立春過ぎには女王蜂が産卵を開始するので、今年もきっと既に活動を再開していることでしょう。
ただ、寒いので巣箱を全開にはできず、まだ内検はできません。
どうやら今年は残念ながら、ダニによる弱体化のせいで冬を越せなかった群もあるようですし、各群どんな状況になっているのか…気になるところです。
そろそろ育児に必要なタンパク源である代用花粉を差し入れたいので、タイミングをみてさっと入れたいと思っています。

養蜂家にとって冬の間は時間にしばしゆとりができ、養蜂協会の集まりも冬の間に行われます。
先日諏訪支部の総会が行われました。
コロナのために対面での総会はここ数年行われておらず久しぶりの集合となりましたが、集まった人数が以前よりずいぶんと少なくなっていました。
ご高齢の方が多いためということのようです。

気がつけば、私が養蜂に出会ってから丸10年経ちました。
協会支部の総会に初めて出席した時の、えもいわれぬ緊張や不安を今もはっきりと覚えています。
当時はまだ神奈川在住で車の運転もできなかったので、初めて行く諏訪湖の近くの会場まで電車と徒歩で一人でなんとかたどり着くところから始まりました。

総会がどんなものなのかも未知でしたし、地元の先輩方に受け入れてもらえるかどうかも不安でいっぱいでした。
総会が無事終わった後、緊張しすぎたせいか具合が悪くなり倒れ込んでしまったくらいです。

まだまだ養蜂家として未熟であることは承知していますが、それでも、未知の世界に飛び込んでたくさんの不安を乗り越えてきたこと、また、冬を越せないのでは…?と心配した寒い土地で、自分で群をつないで増やしていけるようになったこと、それだけでも「よくがんばった!」と自分をほめてあげたいと思います。

総会後の懇親会で先輩養蜂家に「もうプロですよ」と言っていただけたのが嬉しかったです。

養蜂を始めた当初は、群数を増やしてはちみつをたくさん採るぞ!という意気込みでがんばってきましたが、それにはちょっと疲弊してしまいました…
今は、自分が楽しいと思える範囲で、そして周りの、本物のはちみつを必要としてくれる人たちに分けられるくらいの規模で無理せず継続していきたいと考えています。

今年は大雪にならないで済みそうかな…よかったなー…と思っていた矢先、2月5日、大雪警報が。
30cm積もりました。

敷地内と前面の砂利道、合わせて100mほど、一人で雪かきしました。
「こりゃおばあちゃんになったら無理だなぁ…」と考えながら奮闘したわけですが、年上の友人たちと状況報告しあいながら「雪かき終わったら雪見風呂&雪見酒だ!」など盛り上がって、励まされました。

実際、雪かき後に窓を開けてお風呂に入ったのですが、露天風呂気分でとても気持ちよく、その後のお酒も、雪かきの達成感とあいまって最高でした。

before
after

最近、楽しいイベントに誘われることが多く、冬の間の自由を楽しんでいます。
前回ハイジのことを書きましたが、そのあとにタイミングよく『諏訪の食材でスイス料理を作ろう!』というイベントに誘われ、参加してきました。
会場は村の公民館。

主催は「農村生活マイスター協会諏訪支部」でした。
知らなかったのですが、「農村生活マイスター」とは、地域農業や農村社会の活性、次世代の担い手の育成等をけん引するリーダーとして活動する農村女性で、長野県知事から認定を受けた人、だそうです。
私もやってみないかと誘われ、「あっそうか、私も生産者なんだ!」と自覚し、ちょっと嬉しい気持ちになりました。
「農村生活マイスター」になるには研修が必要で、またなんらかの形で農に関わっていることは要件であるようですが、厳密に農家でなければならないということはないそうです。
実際、諏訪支部の支部長さんはおそらく私と同年代で、ご自分でひまわりを育てて種から油を採り、それで手作りの自然素材の石鹸を作っているという素敵な方でした。
この料理イベントも元気に活躍している女性たちが集まってわいわいと楽しく、こういう方たちと繋がれたらなにか拡がりそうで面白そうだなと思ったので、検討してみるつもりです。

今回作った料理は、レシュティ(ジャガイモのパンケーキ)、季節の野菜と豆のスープ、落花生のアイスクリーム、でした。
他に地元のビーツの和え物や根セロリ(セロリアック)のサラダなどもいただきました。

また先日、茅野市の泉野地区にある「穴倉」を見学させていただきました。
竪穴式住居のような茅葺の建物で、地域の農家さんたちが冬の間ここに集まり、布ぞうりや藁細工などの手仕事をするのだそうです。
江戸時代まではそういった場所が複数あったそうですが、今はここだけで、また集まる人も少なくなってきたとか…
中は囲炉裏が燃えてポカポカで、不思議と落ち着く居心地のよい空間でした。
(見学に行った際にスマホを持っていくのを忘れ、写真を撮りそこねてしまいました…)
今度、布ぞうりづくりを教えていただきに行きたいと思っています。
ちなみに笹離宮にある「縄文窖(じょうもんか)」はこの泉野の穴倉をお手本にして作ったそうです。

こういった、たまり場的な場所、あったらいいな、作りたいな、と思っています。
気の合う人たちが三々五々集まって、おしゃべりをしたりお茶を飲んだりしながら手仕事…楽しそうです!

冬はリスが来てくれてうれしい