初夏と夏のはちみつ

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暑い日が続いています。
でも暦の上で立秋を迎えたとたん、吹く風が秋っぽくなったように感じます。
夏はあっという間に過ぎ去ってしまうな…と急にさみしくなったりしています。

夏休みの時期はこの地域も帰省や観光の方々で賑わいますが、当方はあまり関係なく変わらず日々を過ごしています。
それにここにいるだけで楽しいし気持ちがいいので、特にどこかへ出かけたいという気持ちにもあまりならないのです。
でもせっかくの夏ですから時々息抜きをしながら過ごしています。

井戸尻考古館近くの蓮の花(7月末)

先月初夏のはちみつを採り、ようやく瓶詰めが終わりました。
例年、初夏のはちみつはアカシア(ニセアカシア)が主体の、明るい色のはちみつとなるのですが、今年は、アカシアの開花がかなり少なく、蜜が入りませんでした。諏訪地域全体でそうだったそうです。
そのため、アカシア主体のはちみつより色合いが濃く、味わいも濃いめのはちみつになりました。
初夏に咲く花は、他にエゴノキやクローバー、ウツギなどです。クリの花も少し遅れて咲きます。
ミツバチたちが主にどの花から蜜を集めたのか…はちみつの味から正確に判断することは私にはできないのですが、色的にはクリっぽいですが、クセが強いわけでもなく、どことなくハーブのような風味もあり、さらっとして味の切れもよく美味しいはちみつです。

ちなみに、以前も触れたかと思いますが、日本で「アカシア」のはちみつと呼ばれているものは、正確には「ニセアカシア(和名:ハリエンジュ)」のはちみつです。
本当の「アカシア」はいわゆるミモザのことです。紛らわしいです。
なぜ「ニセアカシア」なのか…正確なことはわからないのですが、調べたところ以下の2つの理由のうちどちらかではないかと思います。

1:ハリエンジュの種小名(生物学で属名のあとにつける名称)であるラテン語「pseudoacacia(「pseudo=よく似た acacia=アカシア」)を直訳した。

2:元々はニセアカシアが先に日本に輸入され「アカシア」と呼ばれていたのが、後から本来のアカシア(ミモザ)が入ってきたため、区別するために「ニセアカシア」と呼ばれるようになった。

「アカシア」と書くべきか「ニセアカシア」と書くべきかいつも迷ってしまって、表記が統一できていなくてすみません。
「ニセアカシア」を「アカシア」とする場合は、ひらがなで「あかしあ」とするのが正しいのだと言われたこともあるのですが、正解が分かりません。
今後は「アカシア」でいこうかなと思います。

ニセアカシアのはちみつ=アカシアのはちみつ

はちのわのはちみつは全て百花蜜なのですが、初夏のはちみつ=アカシアが主体、となることが前提でした。
「森のしずく」のパンフレットにもそう記載しているのですが、見直した方がいいのかもしれません。
2021年に、アカシアが咲かないという事態を初めて経験したのですが、稀なことなのだろうと思っていました。
でも、意外に頻発することなのか?気候の変化によって傾向が変わったのか?わかりません。
アカシアの風味を楽しみにされている方がいらしたら申し訳ないなと思います。

ただ、アカシアの蜜が入らない、ということは残念なことではあるのですが、何のはちみつにせよ、美味しいはちみつをミツバチが作ってくれるのはありがたいことです。
その年ならではの一期一会のはちみつなので、楽しんでいただけたら幸いです。

今年はいつも以上にはちみつをもらう量を控えめにしています。
後々必要な時にミツバチに返すことができるように巣枠ごと取り置いておく備蓄量をなるべく多くしておきたいためです。

ですので夏のはちみつは、今年も採らないつもりでいたのですが、思いの外勢いのある群が何群かあり、少し分けてもらってもよさそうな感じなので、おすそわけ程度にもらうことにしました。

なお、いわゆるセイヨウミツバチでの養蜂をするうえで、もしもはちみつを全く採らないでいると、巣房がはちみつでいっぱいになり、産卵するスペースが圧迫されてしまうので、それはそれで問題なのです。
養蜂においては、ミツバチがせっかく貯めたはちみつを採るなんてかわいそう、と単純には言えないかなと思います。
もちろん全て奪いつくすことはNGです。
ミツバチが快適に子育てし生活できるようサポートし巣箱の環境をコントロールすることが必要です。

夏はオオハンゴンソウが周囲にたくさん咲いて、巣が黄色く染まり、鮮やかな黄色の蜜が入ります。
オオハンゴンソウの蜜は、ほっこり和菓子のような甘さがあります。
ニセアカシアもそうなのですが、オオハンゴンソウも外来種で繁殖力が強く、駆除対象になっていますが、ミツバチたちにとっては大変役に立つ存在であり、はちみつも美味しい…複雑な心境です。

夏のはちみつは糖度があがりにくいこともあって、タイミングを見ていますが、そろそろ大丈夫でしょうか…。
夏のはちみつのビンづめまで終わったら、初夏のはちみつとともにオンラインショップに出したいと考えています。
ただ、50gビンと100gビンのみになる見通しです。

オオハンゴンソウとミツバチ
夏の黄色い蜜枠

今年はナス・トマト・ピーマンを初めて種から育苗してみたのですが、いずれも今大きく成長して、収穫できるようになりました。
まだ寒い3月に種をポットにまいた時は、うまくいくかなぁと自信がありませんでしたが、「よくやった!」と自分をほめてあげたい気持ちです。
種は固定種を選んでいるので、種採りまでできたらいいなと思っています。
他に、コンパニオンプランツとしてまいた枝豆もよく育ち、ビールとともに美味しくいただいてます!

種から育てた翡翠ナス