生き物と土(1)

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早いものでもう10月も終盤です。(時間が経つのが本当に早くて、毎回そんなことを書いているような気もしますが)
ミツバチたちの越冬準備もほぼ完了しました。
今年は、昨年のダニの大被害の辛酸を繰り返すまい、と心がけた結果が出せたのか、ダニのレベルはかなり低く抑えられています。
どうやら今年は全群元気に冬を迎えられそうだな、とほっとしているところです。
(昨年秋のトラウマがあり、断言するのがこわい気がしています…)
11月に入る前にもう一度ミツバチの様子と貯蜜状態を確認して、完全な安堵を得たいです。

昨年の10月半ば、ダニの大被害を目の当たりにして緊急に対策をとらねばなくなった時、二つの方法を群を分けて試しました。
ひとつは、緊急ということもあったので、一般的にミツバチのダニ駆除に使用される化学合成の薬剤「アピバール(主成分:アミトラズ)」を使い、巣箱内に決められた期間挿入しておく群、もうひとつは、シュウ酸(自然界に存在する成分)の気化を約1週間ごとに複数回施す群です。

その後、越冬できても失速してしまった群と、現在も健在の群があるのですが、昨年の記録を見返してみると、現在も健在の群は全てシュウ酸での処置をした群でした。
条件の違いなどはあると思うので単純な比較はできないものの、シュウ酸による処置がかなり有効でミツバチにもダメージが少ないことが実感として得られたことは収穫でした。
化学合成の薬よりもむしろオーガニックな方法で、しっかり対処できるんだ!と自信がつきました。

ヒヨコ、改めニワトリちゃんたちですが、9月の終わり頃、一羽が突然卵を産みました!
卵を産み始めるのは生後180日くらいだと本に書いてあったので、5月生まれのヒヨコちゃんだから11月以降かなぁとのんびりかまえていたのでびっくりしました。
産卵箱も用意していなかったので、大慌てでした。

嬉しい反面「早すぎるのでは!?」と心配になったりもしましたが、人間同様、早熟な子もいるんだろうという結論に。
産み始めて3週間くらいまでの卵は「初参卵(ういざんたまご)」と言って栄養価が高いそうで、安産や長寿の縁起物とのことです。
小さめな卵ながら、殻がしっかりして白身がぷっくり、黄身の濃い卵でした。

ところでニワトリって、けっこう活発なんだな!って知りました。
始終歩き回って土や草をつついたり、足で地面を掻いて穴を掘ったり。砂浴びもします。
タタタっとよく走るし、ジャンプして虫をつかまえてみたり。
120cmくらいの高さなら飛び越えられない、と本に書いてあったので、そのくらいの高さの囲いをしているのですが、けっこうカジュアルに飛び越えて脱出します。
夜はもちろん小屋で就寝ですが、朝になると「早く出してよー!」と言わんばかりの様子です。

そういう姿を見ていると、窓のない施設で、宙吊りのケージの中で密集して身動きも出来ずに卵を産み続けさせられる(ウインドレス鶏舎)…というのはニワトリにとって拷問、といってもいいのではないかと思ってしまいます。
これでは心身ともに病んでしまうのがむしろ当然なのではないかとさえ思います。
参考写真:「ウインドレスの新型鶏舎の例」(日経XTECH記事より)
卵を買うときは平飼いを買っても、一般の加工品に使われている卵は、そういうニワトリたちが産んだ卵だと思います。
そういう卵で私たちは一見豊かな食生活を送ってきたんだな…と考えてしまいます。

新鮮ハクサイとニボシが大好物の元気なギャルたちです

その後しばらくして他のニワトリたちも次々に産卵を始め、今は6羽中5羽が産卵をしています!残りの1羽は奥手なんですね。
卵もいわゆる普通のサイズになり、ときには巨大な卵に黄身が二つ入っていることもあります。
基本的に毎日産んでくれるので(これもびっくり)、毎朝5個の卵を得られるのです。
産みたて卵は温かく、「ニワトリさん、ありがとう!」と素直に声に出てしまいます。
自家産自然卵、知り合いにあげて喜ばれています。母にも送りました。

ニワトリのエサは、極力自分で手配して作るように努力しています。
隣町で自然栽培でお米を作っている青年からくず米や米ぬか、籾殻を分けてもらったり、知り合いの方から不要な古米やあまった野菜をいただいたり。
緑餌が大好きで、与えるだけ食べるので、できるかぎり何度も雑草を刈り、ニワトリ用に白菜なども育てています。
もちろん抗生物質など与えていませんので、卵は超健康卵です!

これから、ニワトリは生まれて初めての冬を迎えます。
寒さや、自然の緑餌が減ることなど、対応を考えることはありますが、ミツバチもニワトリもみんな元気に冬を乗り切れるよう、人間としてしっかりサポートしていきたいと思っています。

もう少し書きたいことがあったのですが、長くなるので次回にします。

5月のヒヨコたち。このころの面影はいずこ…
無農薬の籾殻を敷いています
ふたごたまごもしばしば
ある日の夕焼け