ヒヨコがやってきた

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6月に入り、アカシア(ニセアカシア )が咲いています。
昨年は、アカシアが全然咲かないという超絶がっかりな年でしたが、今年はアカシアは無事に咲いてもミツバチが少ないという…
なかなか思うようにいかないものです。

春のはちみつも、ミツバチの勢い不足で、今年の収穫はかなり少ないです。
オンラインで販売できるような量ではなく、大変申し訳ないです。
身近な、いつもお世話になっている方々にお分けしたら無くなってしまうでしょう。
少しの収穫でも、がんばってくれたミツバチには感謝です。

・・・

5月下旬に、生まれたてのヒヨコを我が家にお迎えしました。
ヒヨコを愛でてみたいという気持ちもさることながら、一番の目的は将来卵を産んでもらうことです。
しかし、ヒヨコちゃん、やはりなんともかわいいです。

ミツバチ、畑、そして、ヒヨコ、etc.
初めてのことなので調べたり考えたり、そして実際の手配や作業…やることが多すぎて、おいつきません…少々グロッキー気味の今日この頃です。
でもそれぞれ、自分がやったことに対して反応がダイレクトに見えて、ドキドキもし、楽しくもあり。

養蜂の話は今回一旦お休みして、ヒヨコちゃんの話をさせてください。

昔はどの家にもニワトリがいたとよく聞くので、大きくなってしまえば飼うのは難しいことではないのだろうなと想像されましたが、未経験ですし、生まれたてのヒヨコとなると、どうしていいか分からないので、本を読んだりネットで調べたりして試行錯誤です。

特に小さいうちは、常に保温をしなければならないということなので、ヒーターをいれ、夜中に起きて温度を確認しに行ったり、寒がらず寝ているかのぞいたり…ちょっとした育児疑似体験という感じです。

主に参考にした本は
『自然卵養鶏法』中島正著(農文協)
です。

この本には、養鶏のノウハウだけでなく、著者の哲学というか、養鶏に対する考え方が書かれていました。
激しく共感することばかりで、これは養蜂にも、他の畜産にも、いや、農業全般にあてはまることだなと思いました。
機械化大型養鶏の危うさ、弊害、アニマルウェルフェアという観点からも、自力でできる範囲で、輸入に頼らず自分で調達できる飼料で、自立して養鶏を営む「小羽数農家平飼い養鶏」をすすめています。
初版は1980年なので、早くから農業の行く末を見抜かれていたのだなと思います。

私は卵を買う際にはとりあえずは平飼い卵を買うようにしています。
少々高くても、できるだけのびのび育てられているニワトリがいいし、またそういった養鶏をされているところを応援したいからです。(「平飼い」なら全てよしではないのかもしれませんが)

安価な価格で売られている卵は、基本的に大型の設備に閉じ込められ一生太陽の光も浴びず、動き回ることもできない環境で飼われているニワトリの、まるで工業製品のような卵です。

この本を読んで知ったのですが、こういった環境で飼われる未来が待っているヒヨコは、生後一週間ほどでくちばしを切られてしまうことが多いそうです。
大きくなって、隣のニワトリをつつくことを防止するためだそうです。
仲間の羽毛をつつく、つつきが発生するのは、濃厚飼料ばかり与えられて繊維質が欠乏することが主な原因だそうです。

くちばしを切られるとニワトリはつつくことができなくなる、つまり、エサも、すりつぶしたようなものしか食べられなくなり、体に虫がついても自分でとることもできなくなる…結果、人間が薬剤を吹きかけて虫を殺す…というようなことにもなってしまうとのこと。

本当に、人間て動物に対してどこまでやるのだろう…と改めて暗澹たる気持ちになってしまいました。

おしりがかわいい…

初めてヒヨコと接してみて、こんなに小さなヒヨコにも個性があるんだなぁとわかりました。
好奇心旺盛な子、おっとりした子…
また、陽だまりができると、そこに集まって気持ちよさそうに伸びをしたり寝転がったりします。
こんなささやかな幸せも味わうことの許されないニワトリがものすごい数いて、私たちの食生活を支えている…
やはり、それでよいのだ、とは思えません。

ひだまりでくつろぐヒヨコ

かくいう私、物心ついた頃から鶏の唐揚げが大好物でした。
今までどれだけの数のニワトリを食べてきたのでしょう…
基本肉食をやめて十数年経ちますが、鶏の唐揚げだけは無性に食べたくなることがあり、実際たまに、買って食べています。
高野豆腐や大豆ミートの唐揚げを作ってみたりもしたのですが、やはり、何か違うんですよね…

ヒヨコが大きくなって卵を産むようになり、そしていずれ年老いて卵を産まなくなったら…
きっと本来はそういう時に自分でしめて食べる、ということになるのでしょう。
かわいいヒヨコ…情が移りきったあと、果たして自分はそれができるのか?今から考えてしまいます。
消費者がその煩悶をしないで済むのが現代なのだと思いますが、気楽なようでいて、いつかツケがまわってくるのかもしれません。

3週間くらいでこんなに大きくなりました

ちなみに、メンドリが、オスがいなくても卵を産むって不思議だな…と漠然と思っていましたが、この、無精卵を産むというのは「排卵」なんだそうです。今回ニワトリのことを調べていて初めて知りました。
だったら特に罪悪感も感じる必要もない気がして気が楽になりました。
また有精卵と無精卵で、栄養価にも特に違いはないとのことです。

メスはオスのように大きな声で「コケコッコー!」とか鳴かないそうですし、メスだけ飼って卵を産んでもらい、野菜くずや雑草を食べてもらったり、鶏糞を肥料にしたり…飼える環境の方は皆飼ったほうがいいのではと思うくらいです。

それにしても、我が家のメスの割合がさらに高まったなーと。
猫も皆メス、ミツバチ(働き蜂・女王蜂)もメス、そしてニワトリもメスのみです…(^^;;

卵を産み始めるまで半年ほどかかるそうですが、今から楽しみです。
元気にすくすく育ってほしいです。