ミツバチウェルフェア

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あっという間に12月がやって来ました。いよいよ冬到来です。

御柱街道から見た雪化粧の八ヶ岳

外仕事が難しくなってきました。先日は巣箱を洗おうとしたらホースが凍っていました。
もうおとなしく屋内でできることをしたほうがいいかもです。
また、冬の間は勉強もしておきたいです。

自分が養蜂を始めた頃(といっても7年前くらいですが)は、日本には養蜂の情報が少ないなぁと思いました。
書籍も一応あるにはあるけれど、なんだか内容が古っぽいと思ったり、ここが知りたいのに!という肝心なところが書かれていない感がありました。
なので、英語の本や海外の養蜂サイトを必死で読み解いたりして情報を得ていました。
あと、海外の養蜂家の方々がyoutubeで「オレはこうやってるぜ!」的な発信を既にたくさんしていたので、それらを漁っていました。
(最近は、自動字幕や翻訳サービスも充実しずいぶん助けられています。)

女王蜂を交代させる時、なんの躊躇もなく指でキュッとしてポイしたりしている動画を見ると「あっ…!なんてドライな…」とびっくりするのですが、いちいちメソメソしてたってしょうがないだろ!ってことですよね。
でもやはりハードル高いです…

女王蜂を手にかけなければいけなかったり、そういう時の気持ちのけっこうな落ち込みようは、もしや更年期のせい!?なんて思ったりもしましたが、でもやっぱり、つらいなぁと思うし、そういう気持ちは、完全に割り切れたとしたらそれはそれで嫌かもしれません。

最近、日本でもyoutubeで発信される養蜂家の方が増えたなーと思います。
みなさんがどんな風に養蜂をやっているか、どんなふうに採蜜されているかなど、実際に見られる機会は少ないので、youtuber流行りの恩恵だなーと思います。
時には「うわっ!(0_0;;)」と思うものもありますが…
でも、養蜂を始めたいとか、養蜂に興味のある方がたくさんの情報を得られるのはよいことですね。
自分に合う合わないなどあると思うので、自分なりのやり方を見つけていけばよいです。
私は先輩養蜂家のもとに出向いて実地勉強させていただいたりもしましたが、これからはネットの情報がかなり助けになることでしょう。

今まで見た動画の中に、強烈に「うわっ!」と思ったものがあります。
そのひとつ、これは台湾での採蜜風景とのことですが、まさにミツバチをモノ扱いしていて見ていて気持ちがザワザワするし、最後に「美味しそうでしょう!」的なシーンで終わりますが、正直、このはちみつは食べたくないです。

あまり批判はしたくないのですけど、これが、とりあえずはちみつを採る、ということだけを最優先した養蜂なんだなって分かる動画です。
「養蜂達人」とありますが、確かに手際はある意味すごいですけれど、何をもって達人?と思ってしまいます。

コメント欄には、海外の方々からの否定的なコメントが多いけれど、逆になんとも思わない(むしろ感嘆している)人もいるんだなっていうのが興味深いです。
でも「いいね」5.9万に対し「よくないね」約8000なので、好意的なほうが圧倒的ということ!?
もし自分が養蜂をしていなかったら、ただすごいなーと思ったのかな…と少々不安になります。
今私がすごいなーと思えるのは、面布も手袋もしてないという点くらいでしょうか。
私がこの動画で違和感を覚える点はざっと以下のようなものです。

・蜂児がある巣枠も全て採蜜している(はちみつに卵や幼虫も混ざっている)
・巣箱の中にあるはちみつを全て奪っている(通常は巣箱を2段にし、間に隔王板を置き、上段のはちみつのみを採る。1段目は育児用巣箱とし、はちみつは採らない)
・はちみつにほとんど蜜蓋がかかっていない(完熟しておらず水分が多いはず。蜜蓋を取る手間をはぶき効率を優先させているのでしょう)
・巣枠間のスペースが広く育児には適さない(巣を高く盛らせてはちみつを多くためさせることを優先させている)
・巣枠を、蜜を採り終えた他群のものと全とっかえしている(蜂児が他群の蜂児に総入れ替え)
・蜂を機械的に全て振り落とし、女王蜂の安否も全く気にしていない。
・屋外で採蜜しているので、ミツバチも飛び込んでいると思われる。
・採蜜後に「脱水」しているとのこと(加熱していると思われる)

ミツバチにしてみたら「ふぅー、やっとはちみつ貯めた!これから水分を飛ばして濃縮…」と思ったら、嵐のように全部とられて、おまけに育てていた子どもたちまで、ブンブン分離器にかけられた上、よその子と総入れ替え…このループが続くということだと思うので、かなりのストレスに違いないと思います。

はちみつの品質への疑問もさることながら、果たしてこれで、健全なミツバチ群が維持できるのか疑問です。

日本の採蜜シーンでも、蜂児のある巣板からはちみつを採ったり、ミツバチがたくさん飛び込んで溺れながらの採蜜といったシーンはそこそこあり、ゲンナリしますが(NG行為という意識はなくやっていらっしゃるからこそ動画を公開できるのだと思いますが)ここまで大胆というか乱暴なのはすごいと思います。

しかしともかく、発信者が増えることで「これはアカン!」というものも含め様々な現場を見られるということはいろいろ勉強になりますし、そこから学んで、日本の養蜂のレベルがアップするといいなと思います。

私も、今までに得た知見をまとめておきたいなぁとか、誰かの役に立つかも、と思い、以前はノウハウ的なこともはちのわ日誌に書くこともありましたが、日誌の趣旨が散漫になりそうということもあり、書かなくなりました。
また、余裕もないということもありますが、自分自体が発展途上なので、間違えたことを発信してしまうかも…とためらいもあったりします。
でも完成形なんてあるのかって話ですし、失敗も含めた養蜂ノウハウの発信、課題にしておこうと思います。

それにしても人間てどこまで他の動物を犠牲にしていいことになっているのかな…と考え込んでしまいます。
自分も基本肉食はしないとはいえ、無自覚にたくさんの命の上に生きていることはわかっているつもりですが…

ちょうど昨年の今頃、ここから八ヶ岳方面へ登った場所にある「八ヶ岳中央農業実践大学校」をめぐって村にひとつの騒動がありました。
経営難から、所有している土地を民間に売却し「メガファーム」を誘致するという計画がこっそりと進行していたのです。
乳牛2000頭以上をコンクリートの施設に閉じ込め、機械で自動で採乳するという施設です。産まれた子牛がオスの場合には肉牛として売られます。
アニマルウェルフェアのアの字もありません。

着工直前に計画を知った私たち地域住民が説明を求め、また署名活動などをし、なんとかその計画は白紙になりました。(しかしまだ安心はできない状況のようです)

村の観光資源として大切な場所にそのような施設は合わないし、水や土の汚染、病気が出た時の対処(殺処分したら全てその場に埋めることになる)、停電時の危険などなど…懸念は数えきれず、何より牛をモノのように扱う施設を「最先端」と主張する学校を度し難く思いました。
皆で一緒に学校の未来、地域の未来についてアイデアを出し合って考えましょう!という呼びかけにも、学校側は応えてくれませんでした。

これからは「メガ」とか「大規模」とかはもう難しいのではと思いますし、時代に逆行しているように思えてなりません。
これからは個人や小さなグループができる範囲で生き物と共存し、恩恵を受けられるような生活スタイルが広がっていけばいいなと思います。

ここにコンクリートのメガファーム…