前回の記事で、「いろいろあって…」と書いたいろいろのメインは、カーニオラン種の女王蜂を迎えたことです。
寒さに強いカーニオラン種の導入計画の一環で、まずは6月にイタリアンとの交雑種の群(カニ組)に来てもらいました。
こちら順調に、元気に過ごしています。
そして、今回、純血種の女王蜂を3匹購入したのです。
7月の終わり、はるばるスロベニアから、お供の働き蜂とともにやってきました。
長旅に耐え、無事に着いてくれました。
ヨウコソ、ニッポンヘ…。
しかしここからが本当の試練のはじまりだったのです。
この女王蜂たちをいきなり無王群へ入れたら、よそものとして殺されてしまいます。
ですので何日間か、王籠に入ったままの状態で巣箱の中に入れ、匂いがなじんで受け入れてもらえるのを待つのです。
巣箱に王籠を入れるとすぐに働き蜂が興奮してわっと群がり、全く離れません。
なじむと、無視するくらいになる、と説明書きにはありました。
6日後、1群は、無視まではしないものの働き蜂の興奮がおさまったようだったのでおそるおそる女王を解放してみたところ、無事に群に受け入れてもらえました。
数日後に産卵も確認。ほっとしました。
あとの2群は働き蜂が激しく王籠に群がったままでした。
そういう場合は群自体が排他的な性格だったり、歳をとった働き蜂(攻撃性が強い)が多い場合があるので、仕切り直したほうがいいとのことで、もう一度若蜂中心の無王群を作り直してトライ。
さらに数日経過。
お供の働き蜂たちは皆死んでしまい、女王がいつまで耐えてくれるのか心配で仕方ありませんでした。
まだ王籠に群がっているけどもう大丈夫なのでは…とまず1匹解放したところ、なんと働き蜂にとりかこまれ、救出も間に合わずあっという間に殺されてしまったのです…!
ショックでした。
遠い国からはるばる連れてこられて、つらい思いだけさせて死なせてしまい…申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
残りの1匹は、慎重に…!とそれから更に数日預けました。
しかしいつまでたっても働き蜂が王籠に群がっているのです。
なぜなんだ〜!と悩みました。女王を預けている間、「死んでしまっているのではないか…」と気が休まることがありませんでした。
考えられる対策は全てやって、いよいよ、これ以上閉じ込めていたら女王がだめになってしまうのでは…という頃、まだ働き蜂は群がっていましたが、敵意は無くなっているように感じました。それを信じることにしました。
結果…女王は、無事に群に受け入れられました!
数日後にも健在で、産卵も確認しました。よかった…
胸をなでおろす、とはこのことだなと思いました。
最初になじんだ女王蜂は背番号2番がついているので「ドカベン群」(スロベニアの女王様に対して失礼!?)、苦労の末なじんだ女王蜂は背番号71番なので…なんだろう?と考え中です。
(デリケートな状況だったので写真を撮る余裕が無く)
それにしても女王蜂の導入が、こんなに難しいものだとは。
経験と力不足を強く感じたのでした。
そして女王蜂の生命力にも驚きました。
死なせてしまった女王蜂には心から謝りたいです。
他にも、順調だった群の女王が突然いなくなってしまって対応に追われたり…
そして今まで避けてきましたが、いよいよ避けられず、不調の女王を自らの手で殺さなければならなかったり…(これは本当につらかったです)
今回のように不本意に死なせてしまったり…
こちらの都合で本当に申し訳ないと謝りながら、学ばせてもらっています。
ところで6月に移虫で出来た原組の4つの王台ですが、2つから無事に女王蜂が誕生し、順調に群を成長させています。
2匹とも、養蜂家の喜びである「額面蜂児」(巣枠の全面に産卵=産卵力旺盛!)を何枚も見せてくれています。
写真は、蜂をはらっていないので分かりづらいのですが、蓋のしてある巣房が全面にあり、その全てにミツバチの赤ちゃんが入っています(こういう図が苦手な方、すみません…)。
原組のポテンシャルを信じて正解だったようです。
蜂場に舞い降りてからもうすぐ1年になる原組の元の女王蜂も健在で、元気に産卵しています。
はるばる、スロベニアから
on 2016年8月23日
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