はちのわではオリジナルの巣箱を作成して使用しています。
それについていずれご説明します…とかなり前に書いておきながら、のびのびになっていて恐縮です。
下書きなどはしていたものの、まとめるのがついつい後回しになり…
と言い訳はさておき、今年は「ずく」を出そう!ということで、とりあえず書き出そうと思います。
何回かに分けて書きます。
その前にまずは、世界にはどのような養蜂巣箱の種類があるかということを調べてみました。
セイヨウミツバチ用の巣箱として日本で流通しているのは基本的にラングストロス式のみですが、世界にはいろいろな規格の巣箱があります。
- ラングストロス(Langstroth)
世界で最もポピュラーな巣箱。大きな育児箱は商業的養蜂家に好まれる。 - ナショナル(National)
イギリスで最もポピュラーな巣箱 - コマーシャル(Commercial)
正方形デザイン。育児箱はナショナルより深くて広い。 - モデファイド・ダダント(Dadant)
最大の巣箱。ラングストロスと同様の設計。巣枠は他の巣箱より深く広いため、商業的な養蜂家に好まれる。 - WBC(William Broughton Carr)
古典的な巣箱として知られているかわいい小屋のスタイル。二重の壁で冷えや湿気に強い。 - スミス(Smith)
特にスコットランドでポピュラーな巣箱。 - ワレ(Warre)
小さめの正方形巣箱。巣枠でなくトップバー(棒)に自然巣を盛らせる。 - トップバー(Top Bar)
水平の幅広の巣箱。巣枠がなくトップバーに自然巣を盛らせる。 - Apimaye Thermo Hive
プラスチック巣箱。ラングストロスと同じサイズ。二重の壁に断熱材が注入されている。
特殊なものとしてflow hiveなどもありますが、おおむねこのような感じでしょうか。
各巣箱の写真は無断使用になるといけないと思ったので貼るのを控えましたが、「beehive types」などで検索するといろいろ出てきますので、外観や詳細を知りたい方は検索してみてください。
9 Types Of Beehives + Pros & Cons
個人的には、かわいいうえに性能もよさそうなWBCが気になっています。
取り回しに若干手間はかかりそうですが、趣味で小規模に養蜂をするのならこんな巣箱でやると気分もあがりそうです。
An Introduction to the WBC Beehive
つまるところ、この巣箱でないといけない、というようなことはなく、ミツバチの生態に合っていて、自分が使いやすければよいわけです。
既存の巣箱のタイプから選ぶ場合、養蜂を仕事でやるのか趣味でやるのかで適したものが違ってきますし、より自然養蜂的にやりたければwarreやtopbarなど、選択が変わってくると思います。
warreなんかは日本ミツバチの重箱式巣箱にコンセプトがとても似ています。
…とはいってみたものの。
現状日本では、セイヨウミツバチの養蜂巣箱としては、先に書いたように一般的に流通しているのはラングストロスだけです。
個人でオリジナルの巣箱を開発して販売していらっしゃる方もいますので、趣味用としては選択肢がないわけではありませんが、ある程度大規模に仕事で養蜂を行うような場合は、コスト面や互換性なども考えるとラングストロス以外の選択肢はないといえるでしょう。
また日本では、種蜂を業者から購入する際は巣脾にミツバチがついた状態で3枚群、5枚群のような形での販売が通常ですので、そこから別のタイプの巣枠や巣箱に移行させるのはちょっと大変だと思います。
ですので、趣味でセイヨウミツバチの養蜂を行う場合も、買った種蜂をその巣脾のまま育てていくことが通常だと思いますので、有無を言わさずラングストロスで…ということになると思います。
海外では、パッケージビー(Package Bees)といってミツバチだけを販売する形態があり、その場合は購入したミツバチを直接自分の巣箱に入れればよいので、巣箱のタイプを選べてよいですね。
ミツバチ的には、なんだか不安になりそうでちょっと気の毒な気もしますが、考え方としては分蜂した蜂球を新しい巣箱にいれるような感じだと思います。
私も、当然のこととしてラングストロス式のいわゆる「単箱」に入った種蜂を購入し、ここで養蜂を始めました。
巣箱に選択肢があるなんて知りませんでしたし、実際何の選択肢も目の前にはなかったからです。
それでしばらくやっていたのですが…
とにかく、重い!
はちみつがいっぱい入った継箱なんて、一人で持ち上げるのは到底無理でした。
はちみつが全面に入った蜜枠1枚の重さは、厚さにもよりますが、3kg前後、へたをすると4kgくらいになる場合もあります。
それが例えば継箱に9枚入っていたら、継箱の重さを含めると30kg以上にはなります。
女性や高齢者が一人でそれを持ち上げるのは、もはや苦役というか…ほぼ不可能です。
採蜜時に、重い蜜枠からミツバチを振り落とすのも一苦労です。
養蜂を続けていくうちに、巣箱について他にもいろいろ疑問が浮かんできました。
それで海外の巣箱を調べ始めたのですが、まず分かったのが、本来ラングストロス巣箱には、サイズ展開があるということです。
奥行き、幅は同じで、高さの違う3種類です。
(カッコ内は巣箱の内寸です)
- Deep(D46.67cm × W37.47cm × H24.45cm)
- Medium(D46.67cm × W37.47cm × H16.83cm)
- Shallow(D46.67cm × W37.47cm × H14.45cm)
基本的にはDeepは1段目の育児箱用、MediumやShallowはいわゆる継箱に相当し貯蜜用に使われます。
しかしそれぞれの体力や目的によって、どう使うかは選べばよく、全てをDeep、あるいは全てをMediumにするのもありです。
日本で採用されているサイズは「Deep」に準じたサイズであることが分かりました。
育児もDeep、貯蜜もDeepで行なうのが日本ではスタンダードになっています。
MediumやShallowサイズの巣箱は、主たる業者さんでは販売されていません。
(巣蜜用などに、Shallowに相当する「半丈」継箱を販売している業者さんはあります)
さらに、日本でのラングストロス式巣箱は、欧米の写真で見るものとはなんだか様子が違うなぁ?と思いました。
その要因を考えるうちに、少なくとも私については、この日本式ラングストロス巣箱で養蜂をするのがマストでもベストでもないと分かりました。
オリジナル巣箱を作ろうと一念発起するに至った経緯を次回まとめたいと思います。