「変身!」

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村の温泉施設にあるソメイヨシノが、先週日曜日に九分咲きくらいになっていました。
いつもより早めの春本番、キター!という気持ちです。

というかほんの先日まで、朝晩暖房つけていたのに今日は日中まるで夏か、と…変化が激しいです。
この「はちのわ日誌」、1記事書くのに何度も書き直したりして数日かかっているのですが、その間にもどんどん状況が変わってしまいます。

ミツバチの巣門もいつ全開にしようかと迷っていましたが、気温もマイナスにまで下がることももうなさそうだし(とはいえ分からない)、ミツバチの野外活動もグンと活発になったこともあり全開にしました。
もっと早くてもよかったかもしれません。

村の温泉施設のソメイヨシノ(4月16日の様子)

先日まで、弱めの群には冬囲いをつけたままにしていましたが、それもやめました。
働き蜂も増えてきていましたが、継箱はもうちょっと先でいいかなぁと構えていたのですが、一気に充実して採蜜態勢も整いつつあり、慌てて継箱しています。
うかうかしていたら、もうヤマザクラが咲き出しそうな雰囲気になっています。
春になったー…と思ったとたん、展開が早いです。

弱めの群、見守っていたのですがどうにも勢いが出ない群は残念ですが合同しました。
働き蜂的にも「この女王じゃダメだ…」と思ったらしく換王王台ができていた群もあり、女王蜂にはかわいそうで私もつらいのですが、早めに判断しないと巣の雰囲気も悪くなるし、働き蜂も疲れちゃうなと思いました。

でも、今年は全体的にはいい感じだ…と納得していますが、これからの天候はわかりませんし、また遅霜でアカシアの花芽にダメージが…とかあるかもしれません。
以前はもっとハラハラしていましたが、もう焦る気持ちはなくなった感があります。
ミツバチに鍛えてもらって、「人事を尽くして天命を待つ」の心境が身についたような気がしています。

ハナモモ(4月21日)
数年前に試しに植えたアーモンドの苗木。花が咲きました。桜にそっくりです。

全然関係ない話ですが、最近、Twitterで映画『シン・仮面ライダー』の広告動画がよく流れてきていました。
仮面ライダー、幼少期に好きでした(V3とかアマゾンとかが記憶に残っています)。
『シン・仮面ライダー』では、およそヒーローっぽくない俳優さんが仮面ライダー役だったり、かわいい女子ショッカーが、どうやらスズメバチだったりと、広告が出てくるたびに思わず見入っていました。

「魂の自由を取り戻して」というセリフもいいですね。とても観たくなりました。
あまりに気になったので、公式サイトをのぞきにいきました。
そこで、主人公役の俳優さんのコメントとして掲載されていた言葉に、すごくうなずいてしまったので一部引用させていただきます。

大きな変化の時を迎えるこの世界で、人が、自分自身の探求を恐れず、厳かな自然界への敬意を忘れず、新しい世界へと飛び込み、困難を克服し、新たなステージへと変化すること。変身してゆくこと。そのことを、シン・仮面ライダーを通して体現してこれたらと思っています。
撮影はこれからですが、この世界の再生には仮面ライダーが必要だと信じて、どんな困難が待ち受けていようと、最後まで、地球のために闘ってきます。

思い返せば自分は今まで、何回もの小さな「変身」を繰り返してきたように思いますが、養蜂の世界に飛び込んで、今までで一番の「変身」をしたかもしれないな、と思いました。
10年前の私には、今この場所でこのような生活をしているとは予想できていませんでした。

大人になってからは、「見る前に跳べ」「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」「案ずるより産むが易し」みたいな言葉たちを無意識に心のベースにしていた気がします。
本当は心配性な自分を、鼓舞するためだったかもしれません。

今、旧来の世界が崩れ始め、隠されてきたものが次々に表に出始めているのが見て取れます。
でもきっとそれで私たちは解放されて、新しい世界を作ることになるのだと思います。
そして世界の再生には一人一人が「変身!」することが必要なのだろうと、私も思います。
本当に、大きな変化を迎えつつあるこの世界、私に何ができるのかはわかりませんが…とりあえず今年も木を植えます!
今年は、トチノキ、エゴノキ、ヤマグリ、イヌエンジュ、ユリノキの苗木を養蜂協会から支給していただきました。

余談ですが、「見る前に跳べ」、日本のことわざだとずっと思っていたのですが、違ったみたいです。
元々は「Leap before you look」で、W.H.オーデンというイギリスの詩人の詩の題名だそうです。

詩の出だしはこんな感じです。

The sense of danger must not disappear:
The way is certainly both short and steep,
However gradual it looks from here;
Look if you like, but you will have to leap.


危険への感覚は失ってはならない。
ここから見れば、道は緩やかに見えても、実際は急で険しいかもしれない。
注意深く好きなだけ見続けていてもいい。
しかし、いつかは飛ばなければならない。
・・・

さらに「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」も、ことわざというより古歌の一部らしいことが分かりました。

山川の末に流るる栃殻(とちから)も
身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ

実の入った栃の殻は重いので川の底を流れるが、実を捨てれば軽くなり、浮かび上がることができる。
ということから、身を捨てる覚悟でのぞめば、窮地を切り抜け新しい世界が開ける、ということの例えになっているそうです。

今までなんとなく、川で溺れた時に、必死にジタバタしたり、持っているものを手放さなかったりすると余計に沈んでしまうが、全部手放して体の力を抜けば、浮かぶことができて助かる…つまり手放すことが大事だよ、というような理解でいました。
あながち間違ってはいない感じはします。

国語の勉強みたいになってしまいました。