前回の投稿から、1ヶ月以上経ってしまいました。気がつけばもう7月も半ばです。
異常に早い梅雨明け宣言にびっくりしたものの、実は明けてなかったのでは?という天候です。
そして日本でも世界でも「えっ!?」という出来事が次々起こっています。
一体、何が…誰か本当のことを教えてー!と叫びたくなってしまいます。
何か大きなことが裏で動いているなぁ…とは感じるものの庶民には知る由もありませんし、分かったところでどうすることもできません。
静観しつつ自分の目の前のことを、日々やっていくしかないなと思いながら、楽しく暮らしています。
ミツバチたちは、今のところ元気に過ごしています。
今年は、はちみつを採ることよりも、ダニ被害により減ってしまったミツバチの群数を、無理のない範囲で回復することと、元気に来シーズンを迎えられるようにケアをすることを最優先しています。
また、蜜源となる木もたくさん植えました。
オオヤマザクラ、ミヤマザクラ、ウメ、ヒメリンゴ、ハクウンボク、クルミ、サルナシ、ジューンベリー…
ただ、蜜源になるまで成長するには何年もかかりそうですが。
この場所が将来、虫や鳥や動物たちのオアシスになればいいなと想像しています。
自然に生えてきた植物で、蜜源になってくれているものもけっこうあります。
6月末にはウツギがたくさん花をつけ、ミツバチが訪れていました。
さて、養蜂協会のことを書くといってのびのびになっていましたので、今回書きたいと思います。
日本養蜂協会(日蜂協「にっぽうきょう」)という団体があります。
各都道府県に養蜂協会があり、その下に地域ごとの支部があるのですが、その総体といった感じでしょうか。
協会の会員になるかどうかは任意です。
ただ、ミツバチを飼育するために提出が必要な「蜜蜂飼育届」を所属の自治体に提出すると、その情報が地域の養蜂協会と保健所にいくようになっているようです。少なくとも私の地域ではそうで、地域の理事の方から連絡がありました。
私が農業スクールで最初に養蜂のレクチャーを受けた時の講師の方は「養蜂を始める時、絶対に養蜂協会にコンタクトをとるな。妨害される。」と言っていました。
それで生徒たちは皆、おそれおののいていました。
養蜂には、なわばりというか既得権益というか、そういったものが存在することは確かです。
半径2km以内で養蜂する人がかぶる場合、先にやっていた人と調整をしなければならないということになっています。
(と言われても困ってしまうと思いますが…)
その講師の方は、だいぶケンカ腰でやっていたようで(それもどうかと今は思いますが)、結果嫌がらせなども受けていたそうです。
ひえー…こわいなー…と思いました。
自然の蜜源に対して、ここは俺のなわばりだ、と主張することは本来できないはずではありますが、でも、です。
何百群も飼育しようという人がすぐ近くに来たらどうでしょう…それは私でも脅威に感じると思います。
だからといって嫌がらせはしないと思いますが。
つまるところ、蜜源の取り合いになることが主な問題になります。
蜜源が豊富であればいいわけなのですが、養蜂に理想的な場所というのはそう多くはないと思います。
新規参入者に対してウエルカムな雰囲気がある感じはしません。
実際耳にした逸話としては、上記の講師の方の件のほか、みな他県の話ですが、Uターンして自分の土地で養蜂を始めようとした方が、地元の協会に拒否されて裁判にまでなった話や、私の仲間が養蜂のワークショップを開いたところ、地域の協会の方から「養蜂をやりたくなる人が増えると困る」言われたことなど…世知辛いです。
そんな話を聞いて私も当初、そもそもよそ者の私が移住先で養蜂が始められるのだろうかと、そこから非常に心配していました。
長野県は養蜂激戦地とも聞いていましたし…
けれど、私はその地域に定住したいわけで、コソコソやっていたらそれこそ住みづらくなったりするのではないかと思い、腹を決めて地域の理事の方に挨拶と相談に行ってみました。
幸い、当時の理事の方は同年代でとてもよい方で、大丈夫と言ってくださいました。
この地域では所有地なら飼育してよいことになっていることや、数群の飼育なら基本的に問題ないということもあったと思います。
ちなみに昔、ベテラン養蜂家の方に、新規で養蜂を始める際、何群の申請なら許可されるでしょうかと質問してみたことがあるのですが、5群だと多い、3群なら多分大丈夫、という回答でした。
地域によって違いはあるかもしれませんが、協会に所属している今、だいたい実際にそのような感触ではあります。
(ニホンミツバチも届け出が必要なことになっていますが、よほどのことがない限り調整を求められることはないと思います)
とてもとても緊張しましたが、支部の集まりにも参加しました。最初は「ウエルカム!」という雰囲気まではなかったものの、拒絶はされなくてほっとしました。
回を重ねるごとに緊張もとけてきて、受け入れてもらったかな…と感じています。
こちらとしても、自分にできることがあれば貢献したいという姿勢でのぞんでいます。
支部長さんなども、会員全体のスキルアップや啓蒙、蜜源植物を増やす活動など、真摯に取り組まれていて、この支部でよかったなーと思っています。
小さな苗木ですが、毎年主要蜜源樹(ニセアカシア・エゴノキ・クリ・キハダなど)の苗木の配布もあります。
あと養蜂に必要な資材の斡旋もあります。
蜜源の問題以外には、フソ病やダニなどへの警戒感も、協会にはあります。
養蜂の知識や技術が未熟だったり、管理がおろそかであれば、病気やダニの蔓延や、盗蜂の被害が周囲の養蜂家に及ぶこともあるからです。
そういうこともあって、協会では許可のない場所に巣箱が置かれていないかどうかも確認しているようです。
もし黙って養蜂を始めても、おそらくいずれは把握されるのではと思います。
またもし、地域の耕作放棄地や休耕田などを蜜源に変える…などの活動をしたいような場合、やはり地域の協力抜きにやるのは難しいかと思うので、地域と連動するのは大切ではないかなと思ったりもします。
まぁでも、趣味の範囲で、気兼ねなく養蜂を楽しみたい…という方もいるでしょう。
それはそれで、否定されることではないと思います。(飼育届は必要です)
養蜂家はミツバチを健康に維持する努力はもちろん、既存の蜜源に対して権利を主張するだけではなく、蜜源植物を増やしていく姿勢も必要だと思います。
全国の養蜂家と養蜂協会が、日本の自然を豊かにする役割を果たせたらいいですね。
・・・
恥ずかしながら最近存在を知った『ハニーランド 永遠の谷』という2019年の映画(ドキュメンタリーだそうです)を観ました。
北マケドニアに住む主人公の女性は、「(はちみつは)半分は私に、半分はハチに」という信条で、これぞ本当の自然養蜂という形で養蜂を営んでいます。
こんな生活をしている人が、世界のどこかにいるんだ…という点がシンプルに驚きでした。
以下映画の内容含みます。
ある時隣にやってきた牛飼いの大家族が、養蜂を始めました。たくさんの巣箱を持ち込み、やり方もかなり雑です。
(とにかく小さな子どもまでハチに刺されまくっていて、見ていてイタタタ…としんどくなります)
始めは女性の教えに従っていた大家族のお父さんですが、お金のためにはちみつをとりつくしたせいで、女性のミツバチは盗蜂の被害にあって滅んでしまいます。
また、自然のミツバチの巣も木ごと切ったり、牧草のために、いらない木だからと蜜源になる木を燃やしてしまったりと…
この家族は牛も世話不足で病気で多く死なせたりしてしまいます。
お金が必要…という、お父さんにはお父さんの苦悩もあり、簡単に悪とは決めつけられませんが、人間と自然、人間と家畜との関わり方などについて、このミニマムな世界で起こる様々なことが、そのまま地球で起きてきたことだなと感じます。
やっぱり、お金のために大規模に、は、目指すべきところではないなと改めて思いました。