はちのわ日誌

日本のカナダ

暦は立冬。日中は暖かいものの、最低気温は既に氷点下に届いています。
いよいよ越冬です。

朝、葉に霜が

暦といえば、秋分の日を過ぎてから、まだずいぶん暖かいのに、大半の群が申し合わせたようにガクッと産卵を減らし焦ったのですが、後で気づけば暦の七十二候ではちょうど、虫たちが冬ごもりの支度を始めるという「蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)」の頃でした。
暦もミツバチもすごいなと改めて思いました。

ミツバチたちは全体的に元気でいい雰囲気です。
越冬の成功は、まず何よりもミツバチが元気であることが前提なので、とりあえずはほっとしています。

越冬装備については、この厳しい寒冷地である原村と同様の気候の地域で越冬させている例をいろいろ知りたいな…とシーズンの初めからネットで情報を探し続けながら、ふと思い出したのが、ある人が仰っていた「原村は日本のカナダ」というフレーズ。

ということでカナダの事例を探してみたところ、オンタリオ州、Oro-Medonteという場所の養蜂家の方のHPを見つけました。
気候を調べると、最低気温も-16℃近く、原村と似ています。
いや、最高気温を見ると、原村より寒いくらいです。

【Bee Works】
https://www.beeworks.com/wintering-bees/

越冬装備は見た目大変シンプル。
でも、ふむふむなるほど!解読していくとともに目からウロコがパラパラと落ちました。

この方法で、過去19年間、越冬で群を失うことはなかったとか。
日本でこのようなやり方は見たことがないのですが、海外の他のサイトや本でも同じ方向性の指南があり、どうやらひとつのスタンダードな考え方のようです。

一番ハッとしたのは、この言葉でした。
“Cold does not kill bees, wetness does.”
(寒さではミツバチは死なない。湿気で死ぬ。)

寒い場所だから越冬は難しい、と思っていましたし、そう言われることもしばしばでした。
でも、寒さそのものは問題の本質ではないのかもしれません。(もちろん暖かい方が越冬は容易ですが)

巣門とは別に上部に出入り口兼換気口(top entrance)を開けるという点が、温まった空気が逃げてしまうじゃないかと初めは受け入れ難かったのですが、それを上回る利点に納得できたので試してみます。
今まで確かに結露も気にはしていましたが、それよりも「とにかく断熱。巣箱をしっかり包むのだ!」と考えていたふしがあります。おさえるべきポイントが分かっていなかったようです。
断熱と換気の問題、人間の住宅も同じですね。

【An upper entrance in winter(Honey Bee Suite)】
https://honeybeesuite.com/an-upper-entrance-in-winter/

「よし、この方針でやってみよう!」と、また材料を探し、ホームセンターに通い、DIYの日々でした(きっとホームセンターでは、「あの人また来た」と言われていたに違いないです)。
日本で流通している巣箱は凸凹が多いこともあって海外のようにスッキリいきません。
また、実際作って装備してみるとDIY下手ゆえスキマができたりしてしまい若干苦戦していますが、おおむね装着できたところです。
毎年試行錯誤ですが、今回は決まるといいなぁと思います。

前回の越冬の失敗がショックで、今年はシーズンの始まりから、いかにミツバチを元気に維持し、そして冬を首尾よく超えるか、それだけを考えてやってきたといっても過言ではありません。
1日たりともミツバチのことを考えなかった日はない、と断言できます。
夢でも考えていたほどで、まさに「寝ても覚めても」です。
今の自分ができる限りのことはしたと思います。
ずっと肩に力がはいっていましたが、越冬に入れば基本的にはもう何もできないので、考え、作り続ける日々から一旦は解放されるのだと思うと、ちょっとほっとしたりしています。

人事を尽くして天命を待つ…答えは来年の春に出ます。
来年は春のはちみつを、みなさんにお届けできるように…と願っています。

八ヶ岳中央農業実践大学校から見た八ヶ岳。暖かい日で、雪は消えていました。


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