秋の気配…を通り越して、すっかり秋になりました。
ごぶさたしてしまいました。
この夏も大変暑く大変でしたが、過ぎ去ってみればさみしさ、懐かしさを感じるものです。
そうなるだろうなとわかってはいましたが、本当にそうなりました。
ミツバチたちはもう越冬に向けての準備もほぼ終えて、あとは元気をキープしたまま無事に越冬へ入れるよう、貯蜜の最終調整、ダニのモニタリングと処置、をする段階です。
一年あっという間です。
夏は直射日光の下にいると、まるでオーブンで焼かれるような暑さでしたが、この夏はその熱をうまく利用する術をひとつ、モノにすることができました。
毎年、冬になってからお湯で精製していたムダ巣やみつ蓋を、太陽の熱で溶かしてみることにしたのです。
そういった既製品は販売されているのですが何万円もするので、自作してみよう…と思いながら数年、なかなか手がつけられずにいました。
どう作ったらいいのか難しく考えていたのですが、海外のDIY事例をいろいろ見てみると案外シンプルに行けそうだと思い、主にホームセンターで手に入るもので試しにやってみたところ、けっこうすんなりとうまくいきました。



ソーラーパワーに感謝です。
毎年みつろうの精製にはけっこう骨が折れていたのですが、太陽の力でおおむね完了。
あとは仕上げだけです。だいぶ楽になりました。
私は黒いプラスチックの工具箱と、バーベキュー用のアルミの皿、ペーパータオル、受け皿にはシリコンのケーキ型を使いました。
蓋は、ガラス板を手に入れたいと思っていたのですが、ビニール一枚でも大丈夫でした。
「Solar Wax Melter」や「Beeswax Solar Melter」で検索するといろいろ事例が出てきます。
ところで、8月も終わりのある日、突然、生まれたばかりの子猫の世話を託されることになりました。
知人宅の庭に、黒いネズミのような生まれたての子猫が1匹、放置されていたということなのです。
母猫が戻ってくることもなかったため、保護したそうです。
事情を聞き、実際に受け取りに行ってそのあまりの小ささに絶句…
まだへその緒がつき、もちろん目も開いていませんでした。
小学生の頃、子猫の世話をしたことはありましたが、こんなに小さな猫を一人で育てたことはなく、「自信ない…」とひるみました。
でも、ためらっている時間はありませんでした。
やるしかない…そうしないとこの子猫は死んでしまいます。

その日から、ネット上の情報を頼りに手探りで子育て開始。
夜間も2〜3時間おきにミルクを作って与え、哺乳瓶を煮沸消毒し…ということを毎日毎日エンドレスで続けました。
幸いなことに、子猫は生きる気力満々で、ミルクもよく飲み、毎日体重も増えていきました。
「目がまだ開かない…大丈夫だろうか」
「ウンチが全然出ない!どうして…?」
と、不安をひとつひとつ乗り越えて、今、元気に走り回っています。

しかしかれこれ1ヶ月以上、不規則な睡眠と世話、その他いろいろやることに追われて疲労が蓄積しており、弱ったところに風邪につけこまれ、自分が先週ダウンしてしまいました。
まだ離乳食を食べてくれず、ミルクを与える日々は続いています。
またやんちゃぶりもすごくて、相手が大変です。
可愛い盛りなのに、「早く大人になってくれないか…」とつい思ってしまいますが、今しかないこの可愛さ、しっかり堪能しつつ、ひきつづき子育てがんばります。
世のお母さんたち、本当にすごいなぁと思わずにいられません。敬意を表します。
そんななか、ミツバチの内検をしているとき、モゾモゾ、ソワソワ…と動くミツバチたちを見てわき起こる感情、「かわいい」といういつもの感情が、「…ん?何かと同じだぞ?」とふと思いました。
「なんだろう…あっ」
ノアちゃんがもぞもぞと動く、そのたどたどしい、あどけない動きを見ている時の気持ちと同じだ…と思い至ったのです。
ミツバチも猫もかわいい…生き物はかわいい、愛しい。
人間はそれを守ることができる力を持っているのだから、生き物たちのために、使ったほうがいいですね。