懐かしアニメとはちみつ(2)

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9月も後半に入ったというのに、暑すぎます。
この夏は日中まともに太陽を浴びるとまるでオーブンで焼かれるようで…外作業はとてもできない日が多かったです。
それでもやらないとならない時はやりましたが、防護服が汗だくになりました。
9月に入った途端、急に一瞬涼しくなり、さみしいくらいの気持ちになったのですが、暑さがぶり返しそのまま続いていてびっくりです。

昔都会で働いていた頃の、猛暑の夏のアスファルトジャングルの地獄のような暑さ。
そこかしこにあるエアコンの室外機からの温風も加わったモワーッとした息苦しい空気…忘れられません。
ここは一応避暑地なのですが、それでもこれだけ暑いのですから、あの場所は今どんなになってるんだろうと考えてしまいます。
もうあの場所には戻れないなー…としみじみ思ってしまいます。
でも、あつーい外から、エアコンの効いた屋内に入った時の天国感も、懐かしいなーと思う時があります。

暑さ寒さも彼岸まで、といいますが、さて、暑さは落ち着くでしょうか。
世界各地でさまざまな大規模な自然災害も起きているようで、暑いくらいで済んでいるならましかなと思いますが…

さて前回、世界名作劇場『ふしぎな島のフローネ』の感想を書きましたが、その続きです。

その前に、これも前回ご紹介した映画『サバイバルファミリー』の予告編がYoutubeにありました。
笑えるのですが、じーんともしますし、いろいろと考えさせられる映画です。

フローネの話にもどります。

『ふしぎな島のフローネ』での生活は、無人島でのサバイバルといっても、かなり恵まれた環境でのものでした。
海産物、フルーツ、サトウキビなど、基本的には食べ物には困らない状況でしたし、水も豊富。
また遭難した船から、様々な道具類や、ロバ、ニワトリ、賢い大型犬も連れてくることができました。
(遭難した船には他にも牛や豚などたくさん乗っていましたが、海に沈んでしまいました…)
また島にいたヤギの親子もゲットして、ヤギのミルクも飲んでいました。
それでも、便利な生活に慣れていた家族(といっても当時は電気はまだ普及してなかったはず)は、様々な困った事態に対面しながら、自分たちの力で乗り越えたくましくなっていきます。

お父さんはたいそうな物知りで、決して感情的にならず頼りになるし、お母さんは農家出身で、農業や木の伐採などについての知識があり、持ってきた種を使って畑を作ったり。
そして家族みんなとても前向きで、立ち直りが早い!
自然の中でしか味わえない体験を、たくさん経験していきます。
いいなぁ…生きてる、って感じだなぁと思いながら観ていました。

『ふしぎな島のフローネ』で印象に残ったその他のエピソードをご紹介します。


フローネは最初、フルーツばかりの食事に飽きて「肉汁がしたたる分厚いステーキが食べたいなぁ!」的なことを言っており、お父さんとお兄ちゃんが狩りに行くことにした時もウキウキでついて行っていました。
しかし、いざ撃ち落とされた鳥を見ると「かわいそう…」と、食べることができなくなってしまいました。
(私が肉を食べるのをやめると決めたきっかけも、同じようなことです。もっともっと酷いものを見ましたが…)
島を脱出する際にも絶対に動物たちを見捨てていきたくない、とねばっていました。
さまざまな動物が出てきますが、「世界名作劇場」系にはいつも動物が出てきて、共に生きている印象です。


アボリジニのタムタムは、故郷オーストラリアで、侵略してきた白人に両親を殺されたという過去を持っています。
白人を憎んでいますが、モートンさんだけが優しくしてくれたということでモートンさんのもとで船乗りになる勉強をしています。
はじめはフローネたちにも心を開きませんでしたが、白人=全員悪人というわけではないと分かって、仲良くなります。
○○人だから悪人、と一括りにはできない。どこの国にも、いい人もいれば悪い人もいる。
というのは考えれてみれば当たり前なのですが、「○○人=悪!」、そう思ってしまう人は今もけっこういるみたいです。

また、白人による植民地支配なんてテーマは、子どもの頃は考えたこともなかったですが、実は敗戦国日本も現在進行形でそうだったと知った今では、考えさせられました。


弟のジャックが、マラリアにかかってしまいますが、薬がありません。
お父さんは薬草の知識もあり、マラリアに効く木の皮のことを知っていました。
お兄ちゃんを連れてその木を探し、ついにその木を見つけました。
皮を煎じて飲んだジャックは助かりました。
薬草の知識、大事です。


フローネが島で10歳の誕生日を迎えた時に、家族がそれぞれプレゼントを手作りしてフローネに贈りました。
唯一無二の、家族全員からの手作りプレゼントなんて、なんて尊いのだろう…と羨ましく思いました。
買ったものより、ずっと思い出に残ることでしょう。


お母さんは37歳の誕生日を島で迎えました。
また、お父さんお母さんの結婚20周年も島で迎えました。
「…てことはお母さん、何歳で結婚したの?」となりました。…17歳!
そしてお父さんが確か10歳くらい年上ということだったので、「へ、へぇー」となりました。
昔は普通だったのかもですね。


モートンさんは、かなり偏屈で、穏やかなお母さんをプンプンに怒らせるほどにムカつくおっさんなのですが、実は中身はとってもいい人だと後々分かります。
よい行いは人に言わずにする、陰徳を積むタイプといいましょうか。
人は表に出ているところだけで判断しないようにしないとなと今更教えられました。


…と、こんなにもいろいろなことを教えてくれるアニメだったのに、何ひとつ覚えていなかったとはどういうことでしょうか!?
小学生の私よ、何も考えずボケーッと見ていたんだね…とあきれてしまいました。
それにしても、フローネと同じくらいの歳だった私が、今やお父さんの歳も超えているとは!
当たり前ですが、誰しも歳をとるのですね。

43年ぶりに見た懐かしのアニメ、思った以上に新鮮な気持ちで楽しむことができました。
『小公女セーラ』も見て、今は『ペリーヌ物語』を見ています。
(ペリーヌ物語では、絵コンテが高畑勲さんの回があったり、お母さんの声がメーテルだという発見あり)
昨今の殺伐とした世の中のあれこれも、ひとときピュアな気持ちになって忘れられます。
歯の痛みも紛れましたし…

ところで、サバイバルに重要なのは、火を起こせるかどうかだという話がフローネにも『サバイバルファミリー』にも出てきます。
もしマッチやライターが使えなくなったとき、どうやって火を起こせばいいか?
これよさそう!と思って入手したものがあります。
アウトドア好きには基本的なものなのかもしれませんが「メタルマッチ」というものです。
いわゆる火打ち石的なものでしょうか。
私にも火を起こすことができたときは、「やったー!」と達成感があり嬉しかったです。

メタルマッチ(別名:ファイヤースターター)いろいろなタイプがあるようです