クマの話追記

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前回の記事で、クマによる人への被害について書きましたが、その直後から、さらにクマ被害のニュースがいくつも耳に入ってきました。

秋になり、冬眠前のクマが餌を求めてさらに人里に出てくるようになったのでしょうか。
今までもクマの被害はあったと思いますが、今年は異常に多いと感じるのは、もしかして報道される数が多いせいでそう感じるという可能性も?とも思ったのですが、実際に、今年はクマの出没件数は今までで最多のようです。

2025年の現時点でのクマ出没件数(ツキノワグマのみ)は2万792件、去年の同時期は1万5832件だそうで、とても増えています。
また、クマに襲われて死亡した人も最多だそうです。

クマ出没4月~9月で約2万800件 過去最多の2年前を大きく上回るペースで増加
(Yahoo!ニュース 2025.11.4)

里に降りてくるクマが増えた原因についても、いろいろな説があることが分かりました。
クマの棲む森が破壊されたから、ということはひとつ大きな原因としてあるのは確かだと思いますが、今年は特に「ナラ枯れ」がひどくてクマが食べるドングリが少ないそうです。

また、クマは減少の一途を辿っているのかと思いきや、増えている、という話もあったり。
地域によって異なるとは思いますが、増えてるところがあるというのは意外でした。
そこで、強いクマに追われた弱いクマがエサを求めて里に降りてくるとか…?

さらに、里山を管理する人間が減ったために、クマの生息域と人間の生活圏の間の緩衝地帯的なエリアが無くなった、メガソーラーで山が破壊されたうえに、電磁波の(?)影響も…など、原因と推測されるものがいろいろあるようです。

クマへの影響如何にかかわらず、メガソーラーはそもそもだめよね…と思います。
また、ナラ枯れの原因は、「カシノナガキクイムシ」という甲虫によるものだそうですが、その虫が増えたのもそもそも人間の活動が原因との記事を見ました。

ドングリが成るのはブナ科の木で、カシノナガキクイムシはブナ科の木を好み、特に大木が好きだそうです。
かつては木炭や薪を作るために、コナラやミズナラが利用され、数年に一回切られていたそうですが、切り株からのひこばえで数年で再生するので、特に成長の早いコナラを中心とした雑木林ばかり作られていたそうです。
それが、木炭や薪が使われなくなったため放置されたコナラが大木となり、そこにキクイムシが大量に…という流れだそうです。

日本の雑木林で今、何かが起きているのか? 「ナラ枯れ」で泣いているように樹液を流すコナラたち
(山と溪谷オンライン 2021.03.02)

人間が里山を管理し続けられればよかったのかもしれませんが、それがされなくなってしまった。
しかし、そもそもコナラばかり植えていたというのも不自然なことだったのですね。
どうしたらよかったのか、これからどうしたらよいのか…
とちょっと気が遠くなりました。
人間が大きな原因であることも間違いないですし、もともとコナラは2〜3年周期で豊作凶作を繰り返すそうですし、凶作には気候の変化も影響しているのかな、とも思いますし…
目に見えていないだけでいろいろな事象や要因が連鎖していそうです。
また、影響をうけている生き物はクマだけではないはずです。

我が家は薪ストーブを使っていて、薪が必要です。
基本的には周囲にある倒木を使ったり、間伐されたカラマツやアカマツなどの木をもらったりしていますが、薪割りが間に合わなかったりすると薪屋さんから買うことがあります。

その際は薪屋さんがナラの薪を持ってきてくれるのですが、なんとなく贅沢だなーと思っていましたし、広葉樹であるナラの木を切ってしまって大丈夫なのかな…森林破壊になっていないのかな?と一抹の罪悪感を感じたりしていました。
ところが逆に、適度に切って再生させたほうがよいのだとは。
無知ってほんとに、恥ずかしいし、害です。

近所に落ちていたドングリ

なお、九州にはクマがいないそうです。今回初めて知りました。
環境省は2012年に「九州産ツキノワグマは絶滅」と正式に宣言したとのことです。
原因はやはり人間による森林伐採や狩猟、駆除の結果とのこと。
なんともはや…です。

いずれにしても、人間の都合で自然や生き物を好き勝手に利用、コントロールしようとしてきて、あちらこちらでバランスが崩れて…の結果が今いろんなところで噴き出しているのかなと思います。

ついに、山の神様の堪忍袋の緒が切れたんだ…と、人間が真摯に受け止め、なんとか自然を回復させるとともに、人間は、どう自然と共存していけばいいのかを改めて考えなきゃいけないのかなと思います。
もしかすると、もう、手遅れなのかもしれませんが…