カッコーが鳴くと農作業開始…と、このあたりでは言われています。
今年は、なかなか鳴かないなぁ、と思っていましたが、昨年より1週間ほど遅い5月15日に初カッコーを聞きました。
そこから畑も蜂も、その他諸々急に忙しくなりました。
また私生活の面でも大きな変化があり(夫が会社を早期退職し、ずっと一緒にいることになった)、今までの生活リズムがくるって少々とまどいつつ日々を過ごしています。
やることも山盛りで、せっかくの新緑の季節を十分に楽しむゆとりも持てないまま、いろいろな出来事が起こるものの書き記す余力も出ないまま、時間が過ぎていきます。
気づけばもう6月になっていました。
田舎暮らしの私、スローライフに憧れます…
何から書いていけばいいかというくらい書くことが溜まってしまったのですが、まずはニワトリの件から…
よかったこと、悲しかったこと、両方が起きました。
前回の記事で、ヒメちゃんが腹水の様相を呈していて、不安を感じていることを書きました。
結論からいうと、現在、ヒメちゃんは回復して元気を取り戻しています!
何かできることはないだろうか…と考えた時に『家庭でできる自然療法』(東城百合子著)をめくってみました。
玄米スープが腹水をとる、と書いてあり、ダメ元で試してみよう…ということになりました。
しかし夫が作った玄米スープ、ヒメちゃんは少ししか食さず(他のニワトリたちは完食)。
ダメかぁ…と思ったのですが、その後ヒメちゃんの容体は悪化することなく、徐々に食欲も出てトサカもきれいな赤色に戻り、今は元気に生活しています。
そして不思議なことに、いじめっ子キャラが姿を消し、穏やかな性格になりました…
なぜなのかわからないのですが、ともかくよかったです。

一方、タマちゃんです…
鶏小屋の周囲は広めにネットで囲いがしてあり、いつもその中でニワトリたちは自由にしていますが、囲いの外に出して好きに草を食べたり散歩する時間を作っています。
4月のある日、いつものようにニワトリたちを外に出していました。
昼間なので獣もこないだろうと、ちょっと家に入って目を離していました。
しばらくしたらけたたましい鳴き声がし、慌てて外へ飛び出ると、なんとタヌキがニワトリをくわえて森の方へ引きずっていくところでした!
必死で追いかけて追いついたのですが、タヌキはニワトリを口から放そうとしません。
蹴るのはちょっと…何か棒で叩こうか…と頭を巡ったのですが、棒を探している暇はない!と「やめて!放してよー!!」と叫びながら素手でタヌキをバシバシ叩いたのでした。
ようやっとタヌキはニワトリを放して逃げていきました。
被害者はタマちゃんでした。
うずくまっており、「あぁ、ダメなのかな…」と血の気が引いたのですが、ケガを確認しなければ…とよく見た所、おしりの羽をむしられただけで済んでいました!
しばらくはショックを受けた様子だったタマちゃんですが、その後ケロッといつもの飄々とした感じに戻っていました。
九死に一生を得たタマちゃんでしたが…
白昼堂々タヌキが襲ってくるなんて、油断できないな!ということで、鶏小屋の周りの囲いも強化したほうがいいね、と考えていた矢先のことでした。
5月も終わりに近づいていたある日。
その日はミツバチの内検をして、蜂の子(オスの幼虫)をとったのでニワトリたちにあげたのでした。
ニワトリたちは大喜びで、タマちゃんもおいしそうに食べていました。
その夕方のことでした。
またも突然けたたましい叫び声がしたのでした。
びっくりして慌てて飛び出していくと、囲いの中にニワトリの羽が散乱していました。
襲った敵の姿は見えず。
1羽いない!と焦ってウロウロ探したら、少し離れたところにタマちゃんが斃れていました。
ケガを確認すると、わき腹に、牙が刺さったような小さな点が2つ(4〜5cm間隔くらい)ありました。
それだけでした。血はほとんど出ていませんでした。
タマちゃんは、のどが詰まったような苦しそうな様子を何度かしてバタバタともがいたあと、息を引き取ってしまいました。
こんな小さな傷で?毒?ということはヘビ??
ネットの下が少し浮いていて、そこから何者かが侵入したようなのですが、正体がわかりませんでした。
その後調べると、同様の経験をした方がいて、どうやら敵はテンなのでは…と推測しています。
少し前に、テンらしい獣が2匹、走っていく後ろ姿を、見たことがあります。
しかし、ただ襲うだけで食べないというのは、どういうことでしょうか!
襲うなら、せめて自分の命に変えて欲しい…と思ってしまいました。
あっという間の出来事でした。
悲しいという気持ちはその時はなぜか起きませんでした。
(そもそもニワトリが死んで悲しむ資格なんてないのですが…)
なんとあっけなく命は消えることだろうか…と呆然としました。
その日蜂の子をたくさん食べさせてあげられて、よかった…
まさかそれが最後になるなんて、思いもしませんでした。
「一寸先は闇」頭では分かっていても、明日も生きているような気がしています。
でも自分の目の前で起こった出来事に、それを実感せざるを得ませんでした。

囲いを強化する作業にもなかなか手が回らず。
タマちゃんが亡くなった翌日から、獣除けになるかなと日中ラジオをかけておくことにしました。
ラジオをつけたらたまたま流れてきたのが井上陽水さんの『五月の別れ』という曲でした。
小屋に近づくといつも元気に駆け寄ってきたタマちゃんの姿が浮かんで、目の奥が熱くなってしまいました。
『五月の別れ』、Youtubeにありましたので、よかったら聴いてみてください。

前回から悲しい話題が続いてしまいました。
ここからはニューフェイスひよこちゃんたちの成長記録をご覧ください。
GWには、ニワトリ大好きの友人のお孫ちゃんにもヒヨコを堪能してもらえて嬉しかったです。
今やもう生後1ヶ月を過ぎ、ヒヨコっぽさがうすれてきて、さみしいような、うれしいような。
それにしても、こんなに愛らしい生き物を創るなんて…
あらゆる生き物を見るたびに、神様ってすごいクリエイターだ…!と感嘆します。











