巣箱考[改良ポイント]

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どうやら寒さがついに底を打ったようです。
まだぶり返しはあるでしょうが、一日氷点下というような日はもうないかなーと思われ、春が来るんだ…と嬉しく、冬を越えられた安堵感を味わっています。
2月ももう終わり!早いです。

さて、オリジナル巣箱について説明しようとしていて、なかなかたどり着きませんが…。
私が巣箱について改良したいと考えたポイントは主に以下の点です。

  • 女性が一人でも持てる重さにする
  • 保温・断熱性の向上(板を厚くする)
  • 底と本体を分離できるようにする
  • 換気窓は無くす(必要な換気は保つ)
  • 本体と継箱に互換性をもたせる
  • ダニボードの標準装備
  • 継箱の上げ下げ時にミツバチを潰さない作りにする

また、プラスアルファとして

  • 越冬時の装備をもっと効率的かつシンプルにしたい
  • 給餌時にミツバチが溺れてしまうのを防ぎたい

といった点もありました。

もちろん最初からオリジナル巣箱の構想が固まっていたわけもなく。
とりあえず試行錯誤で、ホームセンターに通っては板などを物色し、ちまちまと既存巣箱を改造したり、部品を作ってみたりしていました。

当時住んでいた家から歩いて行けるところに、大きめのホームセンターがありました。
この巣箱問題に取り組んでいる時ほど、近くにホームセンターがあってよかった!と思ったことはありません。
しょっちゅう来店しては、板や金具などを物色するおばさん…店員さんに「また来た」と思われていたかもしれません。

とはいえ、DIYの腕があるわけでなく、工具も大したものを持っていなくて、板をまっすぐ切ることすらままならないので、自力での巣箱の魔改造には限界がありました。
作ったものを実際に使ってみると、作りの下手さや欠陥による失敗もしょっちゅうで…イライラがつのりました。

また同時に、世界の寒い地域で養蜂家の使っている巣箱ってどんななんだろう、とネットで探しまくりました。
そのうちにやっと、モデルとなる巣箱や考え方を見つけることができ、こうだったらいいかも…というイメージができてきて構想がかたまっていきました。

上の写真は、2017年頃に既存の巣箱のキットを使って作った改良巣箱の試作品の一部です。
(野ざらしにしていたため、汚れていて恐縮です…)
板を厚くするために、元の板の上にさらに10mm厚の板を打ち付けていました。

なお以前、一般社団法人みつばち協会(当時は「トウヨウミツバチ協会」だったかなと)さんが行われた「女性向け養蜂具の調査研究事業」というものがありました。
その事業の一環だったと思うのですが、(2018年頃だったか…)女性養蜂家のディスカッション的な場に参加させていただいたことがあります。
うろ覚えなのですが、ほとんどの方は家族経営で、夫とともに養蜂業を営んでいるといった方が多かったように記憶しています。
そしてやはり、女性にとっては、巣箱が重い!という悩みが共通していたと記憶しています。

みつばち協会さんの小型巣箱は、日本で一般的な巣枠の横幅を半分くらいにしたサイズの巣枠を使うものでした。
youtubeに、その巣箱が出てくる動画がありました。

この小型巣箱には小さい巣枠が7枚入ります。
一般的な巣枠だと1枚の両側全面にミツバチがついた状態でミツバチの数が約2,000匹と言われていますので、この小型巣枠だと、1枚に約1,000匹、7枚で計約7,000匹ということになりましょうか。
ということは、通常の巣箱1段分のミツバチを収容するのに、この小型巣箱だと3段程度必要になることになります。
継箱の分もいれると4段,5段…になるということになり、ちょっと段数が多いかな…とは思います。
ニホンミツバチならばよさそうです。
またはセイヨウでも勢いのあまりない群なら、と思いますが、群勢を思い通りにコントロールするのはなかなか難しいように思います。

当時、女性の養蜂仲間がその小型巣箱をモニター的に使用しているのを見せてもらったことがあるのですが、段数が多くなり巣箱がタワマンのようになっていて、内検するにも少々難儀していたようでした。
せっかく考えていただいたけれど、セイヨウミツバチの養蜂には少々現実的でないかもなという感想を持ちました。

最近は定飼の養蜂家が多いと思いますし、女性や高齢の養蜂家も増えているのではないかと思います。
養蜂業者さんがそのあたりのニーズを満たしてくれるような巣箱を供給してくれたらきっと喜ぶ人は多いだろうし、養蜂を始めたいという人にとってのハードルも低くなるかもしれないなーと思います。

とりあえず現状では、日本で手に入る既存巣箱では自分の希望をかなえられないので、自分で作るしかない…というわけです。

海外から輸入する、という手もないわけではないですが、コストがかかりすぎますし、また材料になっている木材が、日本の気候に合わない可能性があります。
反ったり膨張したりということが起きやすくなるのではと思われます。