はちのわ日誌

安心してください…

前回の投稿から早3ヶ月近くが経とうとしています。
はちのわのことを気にかけてくださっている方がいらしたら、「何かあったのか?もしや越冬失敗したのでは…?」などと心配されていたかも、しれません。
安心してください、はいてますよ!(古)…じゃなく全群元気ですよ!

2月に思いがけず親が要介護状態となり、いろいろとあって、精神的に余裕がありませんでした。
でも、ミツバチは、元気です!

2月に初内検した時のミツバチの様子。元気!

今年は桜の開花が早いようです。
とはいえ、桜はこちらではまだ咲いていませんが、梅やタンポポが昨年より10日ほど早く咲き始めましたので、桜も早まると予想して、少し巻きで作業をすすめなければというところです。

梅が咲き始めました

今までの越冬では、冬は越せても弱群となり春本番前に他群に合同しなければならない群が出ていたのですが、今回の越冬では、強弱の差はあるとはいえ、全群が皆それぞれ元気に育児をすすめており、合同しなくても大丈夫そうです。
快挙、と言ってもよいと思っています。
ミツバチが全体に元気だったこともあると思いますが、はちのわオリジナルの巣箱も貢献したかなと考えています。

前回の越冬では、旧来の巣箱(日本の標準巣箱)とオリジナル巣箱が混在していました。
越冬の結果を見ると、明らかにオリジナル巣箱での越冬群のほうが状態がよかったので、この巣箱でいける!という確信を強めました。
そして昨年中にオリジナル巣箱に完全移行させることができ、今回の越冬では全群がオリジナルの巣箱で越冬にのぞみ、そして全群元気に春を迎えることができました。
本当に嬉しいです。
ここまでなかなか大変でしたが、試行錯誤してきた甲斐がありました。
ただ、何が起こるかわからないのが生き物の常…気を緩めてはいられないので、ひきつづきミツバチが元気にいられるよう気を配っていきます。

この巣箱(巣枠も)は、日本では流通していないサイズですが、海外では普通に使われているサイズなので、日本でも普及すれば、特に寒冷地での養蜂や、力持ちでない人は、もう少し楽に養蜂ができるのではないかなと思ったりもします(ただし大規模養蜂や移動養蜂には適しません)。
これからもよりよい、自分なりのメソッドを求めていきます。

今年も群を増やすべく、巣箱組み立ての日々です。
電動ドライバーの使いすぎか、右腕が少々故障してしまいました。
でもミツバチのためなら、がまんできるのです。

たくさん組み立てました
上下の識別も兼ね、はちのわのロゴマークの焼印を

今年2021年は、ここで養蜂を初めて7年目です。
蜜源樹を植えてきましたが、自然に生えてきた名も知らぬ植物が、蜜源や花粉源となると分かった時の喜びもひとしおです。
ヤナギも知らぬ間に蜂場に生えていました。
ヤナギ類は蜜も花粉も提供してくれるそうで、この時期大助かりです。
これからも、生き物たちの役に立つ植物を増やしていきたいです。

ヤナギを訪れるミツバチ
なんの花?スグリと判明。ミツバチにも鳥にもうれしい植物です。
越冬装備解除前の記念撮影。全群よくがんばってくれました!

新しい年

あけましておめでとうございます…というには時間がたちすぎてしまいました。

ミツバチと暮らすようになってから、カレンダー(いわゆるグレゴリオ暦)の日付そのものよりも、日本の暦(旧暦、二十四節気)のほうがミツバチや自然の動きに合っている気がしています。

新しい年の区切りも、冬至のほうが気持ち的にしっくりきます。
冬至は一年のうちで最も昼が短い日。
寒くて日の短い日々を過ごしているとなんとなく気持ちも下がりがちになりますが、冬至を迎え、明日から日が長くなっていくのだ、と思うと胸に火が灯るような気持ちになります。
陰極まりて陽となる…今の世の中もこんな時なのかな、と思ったりもします。

今は大寒、1年で最も寒い時期です。
さすがにここのところ気温が低く、マイナス10度を下回るような夜に、ミツバチたちが身を寄せ合って寒さをしのいでいる様子を想像すると胸がキューっとなってしまいますが、気温が上がるとミツバチが外に出てきてウンチをしたり、元気に舞っているのを見るとホッとします。
セイヨウミツバチは今のところ全群無事なようです。
大寒を乗り越えれば立春です。
あともうひとふんばり、がんばってほしいです!

ニホンミツバチは、1群は、少し前に滅んでしまいました。
どうやらアカリンダニにやられてしまったようです…とても残念ですが、あまりひきずらないようにして、今後の予防策をしっかりたてたいです。
もう1群は元気です。
春を迎えて、またたくさん分蜂するといいなと思います。

原村へ完全移住して、1年と少し経ちました。
引越してきて以来、東京や神奈川、埼玉など、生まれてこのかた縁のあった場所へ一度も足を踏み入れていないのですが(コロナもあるとはいえ)、不便だとか街が恋しいとか思ったことはなく、ここに来たことは本当に自分にとってよかったんだなと改めて思っています。

遅くなりましたが、本年もどうぞよろしくお願いします。

雪が降った時の様子
薪ストーブは冬の楽しみです

農薬は身近に

11月に入ると同時にミツバチの冬支度もひとまず完了し、ほっと一息ついて過ごしていたらあっという間に時間が過ぎてしまいました。
一度寒くなりましたがその後暖かい日が多く、このあとどうなるのかな?と少し気になります。
八ヶ岳も雪化粧したかと思うと消えて、を繰り返しています。

11月上旬の八ヶ岳

はちのわのセイヨウミツバチもニホンミツバチも、元気です。
お互いに盗蜂(他の群を襲ってはちみつを盗むこと)が起こることもなく、それぞれ穏やかに過ごしています。
自分の巣に十分な食料(はちみつ)があれば、他群から奪う必要などなく、また、群が強ければ襲われることもないのでしょう。

冬仕度をしたセイヨウミツバチの巣箱
こちらはニホンミツバチの巣箱
ニホンミツバチも元気です!

さて、周辺の農薬について書くと言っておいてのびのびになっていましたが、楽しくない話題は済ませてしまったほうがよいですね。
「はちのわの蜂場の半径数km以内に農薬は使われていないか?」というご質問に対して、答えは「No(使われている)」。そのことについて説明します。

はちのわは、八ヶ岳の西麓、標高1150mの森の中にあります。
このあたりは農地の限界に近く、標高が低くなるにしたがって農地や民家が多くなり、山側は森、別荘地などという場所です。

蜂場から少し離れたところにも農地がありますが、目の前ではなく、ミツバチたちは近くに蜜源があればあえて農地にはいかないだろうと思います。
しかし行く可能性はゼロではありません。
その農地には農薬が使われていると思った方がよいでしょう。

そして、農家さんだけでなく、一般の人が簡単に手に入れられる農薬もあるのをご存知でしょうか。

少し前に、ニュージーランド産のマヌカハニーからグリホサートが検出されたというニュースがありました。
『新型コロナで人気沸騰の高級蜂蜜から発がん性疑惑農薬』(yahoo!ニュース 2020.8.16)
農場や牧場が汚染源だそうです。
グリホサートは発がん性が疑われて世界では使用禁止の動きが広がっている除草剤の成分です。(以前「はちみつコラム」でもとりあげました
しかしニュージーランドでも…!という思いです。
世界の流れに逆行している農薬大国日本はどうなのでしょう?

ホームセンターで誰でも買えるグリホサート (ラウンドアップ)

上の写真は、いつも利用するホームセンターです。
どこのホームセンターでも見られる光景かもしれません。
目立つところにずらっと陳列されているこの「ラウンドアップ」の主成分はグリホサートです。

先日、地域の川の清掃があったのですが、ゴミの中にラウンドアップの容器があったのです。
近くで誰かが使っているんだ…川にも流れているかもしれないんだ…と、ショックでした。
現状では、どうかミツバチたちが接触しませんように、と願うほかありません。

このように、農薬は身近に存在します。
上記のニュースの中に、こんな一文がありました。

“農薬汚染に敏感な養蜂業者は、ヘリコプターを使うなどして、農薬汚染の心配のない山奥に巣箱を設置するという。逆に、安全意識が比較的低い養蜂業者は、農薬汚染のリスクを承知で作業が楽な場所に巣箱を設置し、結果的にグリホサートが蜂蜜に混入してしまうという。”

ヘリコプター…?個人にはとても無理でしょう。
作業が楽な場所に巣箱を設置…?養蜂家はどこでも置きたい場所に好き勝手に巣箱を置けるわけじゃないのはニュージーランドだってそうなのではと思うのですが(少なくとも日本では申請、調整、許可が必要)。

養蜂家だけが苦労して、農薬のない環境を探し求めてミツバチを移動すべきなのでしょうか。
農薬の心配をしなくてよい環境を作る方向へ、社会全体が動くのが正解では?と思います。
はちのわでは抗生物質やケミカルなダニ駆除剤(農薬)を使用しないでミツバチを育てるよう努めています。(※これらの薬剤が使用されていても用法用量がきちんと守られていればはちみつに残留することはありません)
でも環境の農薬まではコントロールできません。
はちみつの農薬汚染について、養蜂家だけを責めないでほしいなぁと思うのです。
農薬が使われる場所の近くで養蜂をせざるを得ない養蜂家さんたちはミツバチを守るために本当に苦労されています。

はちのわでは過去、はちみつの残留農薬(115項目)の検査をして全て非検出でしたが、検査費用が高く個人で毎回継続して検査するのは難しいです。
(しかも115項目もやっても農薬成分の全てではないのです)
今後も、安心できるはちみつを提供するためにできることを考えていきたいです。

こちらでできた友人たちと訪れたもみじ湖にて
一息つきながらまた来年に向けて準備します!

小さなはちのわ(輪)

今回は周辺の農薬について書く予定でしたが、あまり楽しくない話題が続いてしまったので、それはまた今度にして、ちょっと嬉しかったことを書きたいと思います。

蜂場がある場所は、6年前は、戦後人工的に植えられたカラマツばかりの森で、ご多聞にもれずほとんど手入れがされていない状態でした。
カラマツだけを伐採してもらい、カラマツの間できゅうくつそうにしていた広葉樹は残してもらいました。

伐採直後は荒地のようになってしまったのですが、その後広葉樹も元気になってきて、他にもグングンいろいろな木が生え、名も知らぬ花々も咲くようになり緑が広がりました。
蜜源樹の苗木も植えていますが、それよりも勝手に生えてくる植物の勢いが思っていた以上です。

植物の名前が知りたくてスマホに「PictureThis」というアプリをいれてみました。
植物の写真を撮ると、AIが識別して名前を教えてくれるというアプリです。
その場ですぐ名前が分かるというのはとても楽しくて助かります。
(時々違うこともあるけれど、アタリはつけられます)
使用料が年2900円ということですが、植物図鑑で苦労して調べることを考えたら、払ってもいいかなと思います。

おかげで、名前を知る前はただの雑草的な認識だった小さなお花の名前がいろいろ分かりました。
そして、その花をミツバチが利用しているのを見るととても嬉しくなります。

コセンダングサ
ナギナタコウジュ

また、いろいろな鳥もやってくるのですが、名前を知らない鳥がほとんどです。
鳥の場合は姿を目に焼き付けて、その後急いで図鑑を見て脳内の像と照合します。

ある日、小鳥が数羽でやってきて、5年前に植えた蜜源樹、エゴノキの実をくちばしでとっていきました。
エゴノキの実は青く固そうで、食べられそうではないなぁと思っていたので意外でした。
そして、どこからかコツコツ、という音がするのです。
アカゲラなどもよく来るのでそれが木をつついている音かなと思ったのですが、ちょっと違う感じの音です。

エゴノキの実

今回も小鳥の特徴を目に焼き付けて急いで調べたところ、ヤマガラだと分かりました。
そして、ヤマガラはエゴノキの実が好物で、固い実をくちばしでコツコツと割って中身を食べるということを知りました。
冬に備えて実を地面に隠したりもするそうで、それがそのまま残ることもあり、そこからまたエゴノキが生えてくるそうです。

この表紙の絵の一番上にいるのがヤマガラ

ミツバチがエゴノキの花を訪れ、受粉させ実ができて、それをヤマガラが食べ、種を運び新たなエゴノキが生える…
小さな循環、はちのわ(輪)ができている!ととても嬉しくなりました。

ここで地鎮祭を行ったとき、土地の神様に、ここを、虫や鳥や動物たちが集えるよい場所にしますので、住むことをお許しください、と心の中でお願いしたのですが、約束を少し果たすことができた…と思いました。
はちのわの願い、蜂の輪(と、蜂の和)がもっともっと大きくなるようにと思います。

ヤマハッカ
ノコンギク
アキノウナギツカミ(へんな名前…)
アキノウナギツカミ拡大。小さな小さな花の集合体でした。

ミツバチと砂糖水

早いものでもう10月です。
数日前、朝の気温が0度近くになっていてびっくりしました。
日中はまだ暖かいのでつい油断しそうになりますが、ミツバチの冬支度もいつ寒くなってもいいように安心できるところまで終わらせないと!というところです。

さて、前回の記事で、ミツバチと砂糖水、周辺環境の農薬について、改めて書くということにしたので、今回は砂糖水について書きたいと思います。

(まず大前提として、砂糖水を与えてミツバチにはちみつを作らせ販売する、というのは論外としての話となります。)

「ミツバチに砂糖水?不自然!ミツバチかわいそう!」…と、私も養蜂を知らなかった頃なら思ったでしょう。
けれど、結論として、ミツバチに一切砂糖水を与えないで(=給餌せず)養蜂を営む、というのはかなり難しいと思います。

はちみつとして一般に流通しているのはセイヨウミツバチのはちみつです。
セイヨウミツバチは明治時代に日本に輸入されました。
虫といえども、飼育するには保健所に届けを出す必要のある「家畜」です。

人間がミツバチの恩恵にあずかろうとする以上、他の家畜同様、完全な自然任せにしていては破綻してしまいます。
しかも養蜂に関しては、ミツバチが自分たちで食べるはずのはちみつを、全部ではないにしても奪っているわけですから…

ミツバチの餌として使われるのが、砂糖(ショ糖)です。
ミツバチはショ糖をブドウ糖と果糖に分解してはちみつを作ります。
餌には基本的に白砂糖(ショ糖含有率98%)が使われます。
精製された砂糖は体によくない、と言われますし、キビ砂糖などのほうがマシなのではないか?と考えたこともあったのですが、ミツバチの腸には不純物がかえって負担になるという説もあり、現状白砂糖が一番無難と考えています。
砂糖水に、ミツバチに必要な栄養素などのサプリメントを加えていますが、自然の花蜜に勝るものはないですし、砂糖水なんて与えないで済めばそんなにハッピーなことはないなと常々思っています。

しかし現実的には、無給餌というのは、例えば趣味養蜂でごくわずかしかはちみつをとらないとか、年間を通じてよほど蜜源植物が豊富な環境にいるか、などでないと難しいと思います。

特にはちのわの養蜂場は寒冷地なので、長い越冬期間の前には給餌をして補わないと、ミツバチが餓死してしまいます。
また、今年の長雨のような場合や、群を分けて増やし育てていく過程などでも砂糖水を与えることがあります。

でもやはりできれば砂糖水の給餌は減らせたらいいなと思います。
今後、ミツバチを増やすと同時に蜜源植物をもっと増やすことで、給餌を減らすことができるかもしれないと考えています。

なるべくミツバチにストレスをかけないで、自然に幸せに過ごしてもらいたい…と考えて日々試行錯誤していますが、そもそも日本の自然界では自力では生きていけないセイヨウミツバチを飼っていること自体が不自然では?と極端に考えてモヤっとしたりもします。
自然な養蜂、ってなんだろう…って考えてしまいます。

日本だと、本当はニホンミツバチでの養蜂が自然に近いといえるかもしれません。
実際江戸時代まではニホンミツバチでの養蜂がさかんだったのですし、皆が自分でニホンミツバチを飼えば、保護にもなり、はちみつも分けてもらえていいかもしれませんね。

この季節、スズメバチ(主にキイロスズメバチ。ミツバチを1匹ずつ捕まえて拉致します。集団で虐殺におよぶオオスズメバチが来ないのは本当に助かっています。)がミツバチを襲いに来るので、ミツバチを守るためにスズメバチは退治しなければなりません。
また、単独で冬を越えられそうにない群は、強い群に合同させる必要があり、その場合、弱い女王蜂は自らの手で処分しなければなりません。
目線をかえれば、それだってひどいことですし、自然なことではありません。
やりたくないなぁ…といつも憂鬱です。
でも養蜂を続けるには避けられないことです。
好きなことをするというのは、楽しいだけじゃないんだよな…と、かみしめる秋です。

はちのわのニホンミツバチとセイヨウミツバチの、キイロスズメバチに対する様子を動画に撮ってみました。
近づくキイロスズメバチを、ニホンミツバチはおしりを高く上げブルブルっと振って威嚇しますが、セイヨウミツバチはそういった行動はしません。セイヨウは健気に立ち上がって前脚を広げ「コラー!来たらやってやるんだからね!」という感じです。

ニホンミツバチ動画は途中スローにしています。
ニホンミツバチがおしりを振る様子が、(必死なのに申し訳ないですが)とてもかわいいです。


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