はちのわ日誌

ニホンミツバチの保護

はやいもので、あわただしくしているうちに夏至も過ぎました。
これから夏本番がやってくるわけですが、日は短くなっていくんだなぁと思うと微妙にさみしい気持ちです。

5月末の話になりますが、はじめて、民家に営巣したニホンミツバチの保護のお手伝いをしました。
少々長くなりますが、その時のことを書きたいと思います。

それは、はちのわの蜂場のある村で知り合った村の方から、ご相談をいただいたことが始まりでした。
都内の知り合いのお宅にどうやらミツバチが入居したようなので、なんとかできないだろうか、ということでした。

まずは一人で見に行ってみました。
そこは新宿駅からバスで15分ほどの住宅街でした。都会です。
築60年ほどの家の外壁の板張りのすき間からニホンミツバチが出入りをしていました。

家主は年配の女性で、駆除したいと思っているわけではなくむしろニホンミツバチに愛着すら感じていらっしゃるようで、このままでもよいのだけど…と仰っていましたが、なにせ都会の住宅街、近所に小さな子どもも多いので、万が一何かあったら…と心配していました。
私一人では手も足もでないので、ニホンミツバチの保護活動をしている知り合いのMさんを頼ることにしました。

保護当日には、Mさんとニホンミツバチの保護を何度も行ってきたベテラン、Nさん(女性)、Oさんもチームで来てくれました。

こんな外壁の内側のスキマにどのように巣を作っているのだろう?と不思議に思っていたのですが、外壁の板を外すと驚きの光景が広がっていました。
1階と2階の間に高さ30cmほどの、奥行きのある空間が広がっていて、そこに横にのびるように巣が作られていました。

外壁の板をはずすと…
ニホンミツバチがぎっしり!

まずは掃除機を改造した道具でミツバチを吸い取って回収し、仮の木箱に入ってもらいます。

ミツバチたちは、おとなしく吸い込まれていきます。
騒ぐかなと思っていたのですが、何の抵抗もしないのです。

巣板をとり外す段になった時には、さすがにミツバチたち怒るだろうな…と身構えていたのに、慌てる様子はあっても、攻撃してくるようなことはありませんでした。
拍子抜けしたというか、もうちょっと怒っていいんだよ!くらいに思ってしまいました。なんとおだやかな生き物なのでしょうか…

刺されることを予想して面布を被って作業していましたが、暑いのもあって、途中から脱いでノーガードで作業したほどです。

当初は外からミツバチと巣を全て取るつもりで作業開始しましたが、巣が思いのほか奥まで広がっていたので、途中から、2階室内から床板を外して作業を行うことにしました。

畳を上げ床板を外すと、はちみつがあふれんばかりに貯められた立派な巣が現れました。
ベテランの3人にとっても、今までの中でも大きい巣だということでした。
一枚ずつ取り外した巣板を、Nさんが大事に巣枠にはめていきます。

はちみつがたくさん!

作業中、向かいのお宅から若いお母さんと女の子が出てきて、なんだろうという様子で見ていたので、巣とはちみつと数匹のミツバチのついた板を持って行って見せたところ、お母さんは最初「刺しませんか?」と不安げでしたが、ニホンミツバチがおとなしいことをわかってもらえました。
女の子ははちみつをなめて「あまーい!」と笑顔になりました。

一日がかりの大変な作業でしたが、無事に終了しました。
一息ついて気がつくと首を1箇所刺されていましたが、このくらいの抗議で済ませてくれてありがたいくらいでした。
ミツバチたちはMさんに連れられて埼玉へと引っ越しました。
後日聞くと、元気で、無事に新しい生活を始めたとのこと。
貴重なはちみつも分けてもらい、ミツバチに感謝です。

この中に巣とミツバチが入っています

今回のお宅は、都会の中にありながら、庭には大きなサクラの木やモミジ、ビワ、ツバキなど、ミツバチが好む蜜源植物がたくさんあり、ミツバチにとってオアシスのような場所だったのでしょう。
おだやかに暮らしていたのに、心から申し訳ないと思いましたが、新天地でどうか元気に命をつなげていってほしいです。

今回は家主さんが理解のある方でよかったですが、Mさんによると、とにかく駆除、という話も多いようで、例えば都内某有名神社では、ミツバチが巣を作ったので業者に頼んで駆除する(殺す)というので、Mさんが「保護させてほしい」というと「お金は払わないよ」と言われたそうです。
Mさんたちはもちろんボランティアでやっていますが、なんてバチ当たりな神社でしょうか。

毎年どこかで起こる分蜂騒ぎのニュースを見ても思いますが「蜂が大発生!」(別に湧いて出たわけではない)「危険!」(こちらが危害を加えなければ蜂も攻撃しませんし、分蜂した蜂は特におとなしい状態にあります)「駆除!」(もってのほか)というようなワードは使わないでほしいものです。
マスコミは、春におこる分蜂について、いいかげん学習できないのだろうか…?あるいはあえてセンセーショナルにしたいのか…?といぶかしく思ってしまいます。
ちなみにこの春、恵比寿でのセイヨウミツバチの分蜂騒ぎがニュースになりましたが、蜂の回収にあたった養蜂家(実は私の養蜂仲間)が、これは分蜂という現象で、ミツバチはこちらが手荒なことをしなければ刺さない、ということを取材陣にアピールしてくれたおかげか、今までよりは報道がマシだったと感じました。

もしも身近にニホンミツバチが巣を作ったら、そのまま見守るか、どうしてもどいてもらわないとならない場合には決して殺虫剤などかけず(かえって危険です)、どうか保護してくれるところにつないでください。
役所によっては保護につなげてくれるところもあると思いますし、もし駆除という話になるなら、とりあえずはちのわにでもよいのでご連絡ください。保護につなげるよう努力します。

夏至を過ぎた頃、自宅庭のシマトネリコはにぎやかになります
マルハナバチやカミキリムシ、コガネムシなどもきます

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